外科
2023.10.9
抗生剤あるある
抗生剤は主に感染症に対して使用するため、多くの病棟で使われている薬剤です。
そんな身近な薬剤ですが、やってはいけないけどやりがちなことがあります。
そんな抗生剤のあるあるを勉強していきましょう。
あるある1:抗生剤の2剤同時間投与
ペニシリン系薬とアミノグリコシド系薬の併用は薬剤の相乗効果があると言われているため、同患者さんに2剤点滴オーダーされることもあります。
しかし投与する際は同時刻に2剤とも投与してしまうと、副作用が出現した際にどちらの薬剤で副作用が生じたか分からなくなってしまいます。時間は必ず分けて投与しましょう。
あるある2:側管禁止ルートに繋いでしまう。ラインの側管から抗生剤を投与してしまう
多くの抗生剤は血中濃度を考え1時間100mlの速度で滴下します。
もし、少量ずつ滴下する必要があるカテコールアミン製剤やカリウム製剤、昇圧剤(DOB等)などの薬剤が側管にある場合一緒に流してしまうと、ルート内の薬剤が急速投与されてしまい命の危険に晒されてしまいます。
メイン製剤の他に点滴をしている時はライン管理に十分注意しなければなりません。
あるある3:配合変化を考えず繋いでしまう
先ほどは側管投与時の滴下速についての禁忌を紹介をしました。それと同時に普段から意識していないと忘れがちになるのは、補液の点滴と抗生剤の配合変化です。
抗生剤の配合変化で代表的なのはセフトリアキソンとCa含有製剤です。同時投与すると結晶化してしまうため、命に関わると言われています。Ca含有製剤の代表例は、フィジオ140、ビカーボン、ビーフリード、エルネオパ等です。 日頃から意識するために配合変化表を病棟に置いたり、薬剤師に確認するといった習慣化が大切です。
【まとめ】
医療現場において日常茶飯事の抗生剤の投与ですが、日頃から点滴管理のポイントを意識して実施しましょう。 6Rの確認から始まり、点滴ライン管理、配合変化、アレルギー等全てのリスク因子を考慮して実施していきましょう。