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血液内科
2024.01.21
カルテから読み解く観察ポイント(血液内科編)


カルテには多くの情報が詰まっています。すみからすみまで全部をみて理解し患者さんのケアにあたればよいのですが、患者さんの人数、疾患、タイムスケジュール色々な状況を考えると全ては難しい。 今回は血液内科の患者さんのケアにあたる場合に必ず押さえたいバイタル等の情報となぜ必要なのかをお伝えします。

1.熱

熱はどの疾患においても重要な情報です。血液疾患では感染兆候を示す重要な情報源であり、血球数の変動があり感染性が高まります。  採血データが正常でも発熱があれば即処置が必要です。悪化すれば肺炎や敗血症のリスクもあるため注視する必要があります。

2.皮膚症状

皮膚症状も血液疾患にとって重要です。
血液内科では歯肉出血や点状出血など特徴的な皮膚症状も現れます。  口内炎等通常なら問題がない皮膚症状でも、血球の変動や化学療法による抵抗力の低下が引き金になり悪化することが多いです。そのため早めの治療が必要となります。口内炎や皮膚の掻痒感など軽度の症状で対応できるよう観察が重要です。

3.検査データ

血液データは外せない観察項目です。
白血球・赤血球・血小板等血球の変動から病状や感染兆候、出血傾向や血栓症がわかります。  そして、常にデータの正常値から逸脱している患者も多いため、前後のデータの確認が重要です。また、限界値を知っておけば変動があれば適切な処置ができます。

4.治療経過

血液内科治療でよく用いられる治療は、化学療法です。  治療後1-2週で血球減少、その後は骨髄抑制などの多彩な副作用が現れます。また、治療クールの回数が増えればさらに副作用症状は変化します。治療経過とリアルタイムで出ている症状がリンクしているか、今後起こりうる症状に対して患者に症状を説明し早期対処を考慮するためにも大切な情報です。

【まとめ】

1.  発熱は感染兆候、肺炎、敗血症のリスク。採血データ正常でも注意が必要。

2. 皮膚症状は 血球変動や化学療法で悪化する。早めの治療が重要。

3. 検査データは 血液データで病状判断。正常値逸脱も確認が必要。

4. 治療経過は化学療法の副作用にリアルタイムで注意が必要。

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