在宅では、病院と違い患者さんや家族が主として服薬管理・内服を行います。安定した生活を送る為には、患者さんが処方通りに内服し病状をコントロールできることが大切です。薬の飲み忘れ、過剰な内服は、病状の悪化や転倒、食欲不振、不眠など患者さんの生活に大きな影響を及ぼします。
看護師は薬の種類や服薬回数、服薬状況、患者さんの生活スタイル・心身の状態から適切な薬の管理方法の選択をしましょう。
1.一包化
薬局では、内服のタイミングごとに一つの袋にまとめて一包化し調剤することが可能です。
錠数が多い時や昼と夜で薬の錠数が違う場合、一包化すると混乱せずに服用できます。
しかし、一包化は調剤に時間がかかります。薬局での待ち時間が通常より長くなることがあるので、患者さんには余裕をもって薬局に行くよう伝えましょう。 漢方薬や粉薬、湿気やすい薬は他の薬と同封できないこともあります。その分の薬の袋は増えます。薬局によっては薬包に日付の記入をしてくれるところもあります。日付は看護師が患者さんの飲み忘れがないか把握する上でも大切です。
2.チャック付きポリ袋
錠剤の種類や個数が少ない、タイミングによって内服する薬が違う場合は、チャック付きポリ袋に入れて管理することも便利です。
すぐに飲めるようにしたい人以外にも、薬カレンダーなど使用する際にチャック付きポリ袋に入れていると管理しやすくなります。 しかし、袋自体は口が狭いことから手が不自由な人には不向きとなります。
3.ピルケース
ピルケースは100円均一でも販売されています。形状も様々な形があります。そのため、患者さんの処方に合わせて、持ち運びや組み合わせることが可能です。
しかし、一つのケースに入れられる薬の容量は少ないため、多数の薬剤を併用している患者さんには不向きです。 そしてPTP包装シート薬の錠剤は、一錠ずつ切り離す必要があり、準備に手間がかかります。
4.薬カレンダー
曜日ごと、飲むタイミングごとにポケットがあり内服の有無が一目で分かりやすいです。目立つ場所、手にとりやすい場所に設置することで、飲み忘れを防ぐことができます。 一方で、大きいため、スペースもとります。PTP包装シート薬はポケットが狭いため取りづらいです。
一包化やチャック付きボリ袋を活用し、薬カレンダーに入れることで管理しやすくなります。100円均一などで売っており、手に入れやすいです。
【まとめ】
1.一包化: 錠数が多く、1回の内服の錠数が違う場合に便利です。
2.チャック付きポリ袋:錠剤の種類や個数が少なく、内服する薬が違う場合に適しています。
3.ピルケース:薬が少なく、持ち運びができる利点があります。
4.薬カレンダー:内服の有無が一目で分かりやすいです。