何らかの理由で自力で排尿ができなくなった際に導入される膀胱留置カテーテル。
定期的に交換が必要になり、ケアの際にも屈曲や閉塞、尿の正常など観察していく必要があります。
いつの間にか尿道留置カテーテルが閉塞していた、患者さんが抜去していた、尿漏れしてしまった、そんなカテーテルトラブルを経験したことがある方が多いのではないでしょうか。
今回は、そんな膀胱留置カテーテルトラブル3選とその対処方法を紹介します。
1.膀胱留置カテーテルを留置しているが尿が出てこない
留置されたカテーテルにおいて、尿が流れなくなる状況が発生することがあります。これはカテーテルの屈曲、閉塞、または畜尿バッグの位置が膀胱よりも上にあることが原因だと考えられます。
まずは蓄尿バッグの位置を確認してみましょう。畜尿バッグを膀胱よりも下に設置します。
次にカテーテルが詰まっていないか、どこかでカテーテルが曲がっていないか管をたどって確認しましょう。
時には尿の内容によってカテーテル内が詰まってしまうことがあります。その場合は再挿入や膀胱洗浄が必要になることもあります。
2.膀胱留置カテーテルを自己抜去してしまった
患者さんが膀胱留置カテーテルを自己抜去するケースもあります。これは留置の理解が得られない場合や、留置に対する違和感やせん妄がある場合に起こります。抜去された場合は速やかに対応しましょう。抜去されたカテーテルの先端の有無やバイタルサイン、出血がないか、自尿あるか確認が必要です。ドクターへの報告と指示に従い、必要に応じて再挿入が行われることもありますのですぐ対応できるよう物品を準備しておきましょう。
3.膀胱留置カテーテル留置しても尿漏れがある
膀胱留置カテーテルが入っているにもかかわらず尿漏れが発生する場合もあります。
原因としてはカテーテルの屈曲や閉塞だけでなく、カテーテルの太さが不適切である場合があります。尿漏れを発見したら、必ず尿漏れが起きている原因を分析しましょう。尿が流れないことで膀胱がいっぱいになり溢れ出ている可能性を考え、カテーテルの屈曲、閉塞がないかを確認します。尿が流れやすいか固定位置か検討してみます。それでも尿漏れが続く場合は、カテーテルの太さの調整、再挿入などの対応が必要か医師へ相談しましょう。
【まとめ】
・膀胱留置カテーテルを留置しるが尿が出てこない場合
カテーテルの屈曲や閉塞、蓄尿バックの位置が原因。適切な位置調整と畜尿バッグの膀胱より下への設置が必要。必要時膀胱洗浄も検討する。
・膀胱留置カテーテルを自己抜去してしまった場合
速やかに状況を確認し対応する。再挿入の必要性も念頭に置く。
・膀胱留置カテーテル留置しても尿漏れがある場合
カテーテルの屈曲や太さの問題が考えられる。現状の分析をし、医師の指示に従い、慎重に再挿入や調整を行う。