入院中の患者さんが治療の際に使う薬の中には微量を時間をかけて投与する薬もあります。そのような時に使うシリンジポンプ。普段、使う機会が少ないと分からなくなりますよね。そんな時に役立つシリンジポンプの使い方とポイントを紹介していきます。
<シリンジポンプとは>
シリンジポンプは、輸液ポンプの仲間でパックに入った点滴よりもさらに少量で希釈した薬剤を正確に投与する際に使用します。なかには劇薬や麻薬など危険な薬剤も使用するため、薬の投与量や投与時間に厳重になる必要があります。
<シリンジポンプの使い方>
①シリンジポンプを用意し点滴台に取り付けます。
②電源を付け動くことを確認する。
③シリンジをセットし接続がきちんとされているか確認した後にシリンジポンプのスライダーを押し子の部分をセットする。
④電源を入れ、早送りボタンでプライミングする。(シリンジの押し子の隙間、薬剤をしっかり先端まで満たして投与するため)
⑤投与速度、ルートを確認し、患者さんに投与開始する。
<ポイント>
・シリンジポンプは点滴スタンドの上から見てスタンドの脚と垂直になるように取り付けます。(点滴スタンドが倒れにくくなります)イラスト③
・どのシリンジポンプとコンセントがつながっているか把握するためにコードをしっかりまとめて整理整頓します。
・シリンジのメモリが分かるようにセットする。(残量が分かるように)
・シリンジセットだけではポンプとシリンジの間には隙間があり、その間患者さんに薬液が投与されないためプライミングをしっかり行う。 ・シリンジポンプが患者さんより上に設置することで高低差によって薬が設定速度より早く流れてしまう「サイフォニング現象」に気をつける
【まとめ】
・シリンジポンプは、輸液ポンプよりも少量を時間かけて投与する際に使う。
・投与する薬剤には麻薬や劇薬を扱うため注意が必要。
・シリンジポンプの使い方は、シリンジをセットし、シリンジポンプのスライダーを押し子の部分にセット、プライミング、投与速度を確認しスタートする。
・点滴スタンドが倒れないようにスタンドの脚と垂直になるように取り付けます。
・シリンジセットだけではポンプとシリンジの間には隙間があり、その間患者さんに薬液が投与されないためプライミングをしっかり行う。 ・シリンジポンプが患者さんより上に設置することで起こるサイフォニング現象にも注意し、固定の高さはベッドの高さが目安。