浮腫のある患者さんは表皮から血管までの距離が遠く、血管が見にくい場合があります。見えるのは細い血管ばかりで、採血できそうな太い血管がなく困った経験はないでしょうか。ここでは、浮腫のある患者さんの採血方法について紹介します。
1. 血管のありそうな部位を指で押す

浮腫があると、組織が柔らかく感じることが多いですが、その中に少し弾力がある部分が血管です。駆血帯を使った後、指で軽く押してみると血管を感じることができます。力を入れすぎると血管が押しつぶされてしまうので、優しく触れるのがポイントです。
2. 駆血して腕を左右に動かしてもらう
浮腫が強い場合、駆血帯をしても血管が浮き上がりにくいことがあります。そんなときは、駆血後に患者さんに腕を左右に動かしてもらうことで、血流が促されて奥の方の血管が見えやすくなることがあります。指で血管を確認しながら、少し深めに穿刺してみましょう。
3. 温める・マッサージをする
温かいタオルやホットパックを使って血管を温めると、血管が拡張して見えやすくなることがあります。また、採血する部分を優しくマッサージすることで血流が良くなり、血管がより浮き出てくる場合もあります。
4. ペンライトで照らしてみる

肘窩部や前腕に血管が見つからず、手背で行う場合は、採血したい部位の下からペンライトを当てると、血管が浮き出て見えやすくなります。光の当て方を工夫して、斜めから照らすことで直接の反射を避け、深いところや色が薄い血管を見つけやすくなります。
5. エコーを使用する

血管がどうしても見つからない場合には、エコーを使う方法もあります。エコーを使うことで血管の正確な位置を確認できるので、無理に手探りをするよりも確実に採血することができます。特に難しいケースでは頼れる方法です。
これらのテクニックで採血はもっとスムーズに行えるようになるはずです。浮腫がある患者さんの採血時には、ぜひ試してみてください。
まとめ
・ペンライトで血管を浮き出させ、斜め光で照らす。れを生じにくい
・指で血管を確認し、浮腫の中から弾力ある部分を感じ取る。
・駆血帯後、腕を動かして奥の血管を見やすくする。
・温めやマッサージで血管拡張を促進。