
溶血は赤血球が破壊され、その内容物が血漿や血清に漏れ出る現象です。溶血が起こると検査結果の不正確さを招くため再度採血が必要になります。 溶血の主な原因には、不適切な針のサイズ、消毒液の化学的刺激、過度の陰圧、強い混和などがあげられます。これらの原因を避けることで、溶血のリスクを減らすことが可能です。次に、溶血を防ぐための具体的な対策を紹介します。
1. 適切な針の選択

採血には通常、21Gから23Gの針の使用が推奨されます。24G以上の細い針は血液成分を破壊することがあるため血球の皮膜にダメージを与えて溶血を起こすリスクが高まります。採血時には推奨の太さの針を選びましょう。
2. 消毒後はしっかり乾燥させる
消毒後はしっかり乾燥させる 穿刺時に使用した消毒液が乾燥していない場合、その成分が血液に混入し溶血の原因となることがあります。採血前の消毒液が完全に乾燥してから穿刺を行うようにしましょう。
3. 採血中は陰圧の適切な調整
シリンジを使用する際は、過度の陰圧をかけることも溶血する原因になります。シリンジでの採血の際はゆっくりと採血しましょう。採血が途中で止まってしまった場合は、針の角度を調整してみてください。
4. 混和は優しく行う
スピッツは5回以上確実に転倒混和させますが、激しい混和は溶血を引き起こす原因となるため、慎重に扱ってください。
5. もし採血量が少なかったら

最低限の採血量の場合、スピッツ内の陰圧を調整することで溶血を防ぐことができます。採血後にスピッツの蓋を開閉することで、陰圧を逃がしましょう。 これらのポイントを実践して溶血せず採血をしていきましょう。
まとめ
・使用する針は21G-23Gの針使用推奨
・消毒液は完全に乾燥させてから穿刺する
・シリンジ使用時はゆっくり陰圧をかける
・採血後の血液は優しく混和する