人工呼吸器使用中の患者や、高侵襲な手術を受けた患者が入室しているICUでは、ベッド上で気管支鏡検査を行うことがあります。緊急で行われることが多いため、患者の苦痛を最小限にしながら、安全に検査が実施できるよう、手順や介助のポイントをあらかじめ確認しておくことが大切です。 今回は気管支鏡検査を実施する際の介助のポイントについて、検査の前・中・後に分けて紹介します。
気管支鏡検査とは?

気管支鏡検査は、呼吸器系疾患の診断や、治療を行う際などに用いられます。
気管支鏡のことを英語で「bronchoscope」(ブロンコスコープ)というため、「ブロンコ」や「BF」と呼ばれることもあります。
気管や気管支を直接観察することで、症状の原因を把握し、適切な治療を迅速に進めるための情報を得られます。
・胸部レントゲンで無気肺が確認された
・咳嗽反射が弱く、自己喀痰や看護師による吸引では排痰しきれない
・喀血があるため出血源を特定したい ICUでは、このような緊急対応としてベッドサイドで行われることがあります。
検査前の準備

気管支鏡検査を安全に行うためには、事前の準備が大切です。以下のポイントを参考に、必要な準備を整えましょう。
・患者の全身状態を確認
バイタルサイン(血圧、脈拍、酸素飽和度)や胸部レントゲン画像、血液検査データを確認します。これにより、患者の状態を把握し、検査中に起こりうるリスクを事前に評価します。創部痛が強い患者、不穏やせん妄がある患者の場合は、鎮痛剤や鎮静剤を使用して、安全に検査が受けられるようにします。
・アレルギー歴の確認
局所麻酔薬や鎮静剤を使用するため、アレルギーの有無を確認します。適切な薬剤を使用することで、患者の安全と苦痛の軽減につながります。
・吸引器と必要物品の準備
分泌物が多量に吸引されることがあるため、吸引器のライナー容量を確保します。人工呼吸器装着中の場合は、気管支鏡挿入ポート付きの閉鎖式吸引カテーテルに交換するか、開放吸引できるコネクタに付け替えておきましょう。
・緊急対応の備え
呼吸状態が急変する可能性があるため、ジャクソンリースやバックバルブマスクなどの救急機器を使用可能な状態で準備しておきます。
・患者への説明
意識がある患者には、検査内容や苦痛が伴う可能性を説明します。また、苦しいときの意思表示方法(例:手を挙げる)を共有しておきます。この説明が患者の安心感につながります。
検査中のポイント

検査中は患者の安全を最優先に、モニタリングとサポートを行います。
・バイタルサインの監視
SpO2(酸素飽和度)やHR(心拍数)をモニターで常時観察します。異常があれば速やかに医師に報告します。
・心理的サポート
苦痛や不安を軽減するために、検査補助とは別に患者のケアを担当するスタッフを配置します。声をかけたり手を握るなど、患者の安心感を高める対応を行います。
・緊急対応の準備
呼吸状態が悪化する可能性を考慮し、必要な機器をすぐ使える状態にしておきます。医師の指示に迅速に対応できる体制を整えます。
検査後のフォロー
検査後は、合併症のリスクを最小限にするため次の点に注意が必要です。
・体位交換
咽頭麻酔の影響で誤嚥の可能性が高まるため、患者の頭部を30度程度挙げ、唾液や痰が自然に排出されるよう適切な体位を維持します。
・観察
痰の性状や自覚症状の変化を注意深く観察し、血痰が含まれていないか確認し、何か異常が見られた場合は迅速に医師に報告することが重要です。
また、検査後の体調や不快感について患者からのサインや訴えを積極的に求め、小さな変化も見逃さないようにします。
気管支鏡検査は、患者にとって苦痛や不安が大きく、さまざまな合併症のリスクもあります。
安全かつスムーズに検査が実施できるよう、今回紹介したポイントをぜひ参考にしてください。
【まとめ】
・個人用ポーチと勉強会・会議プリントの整理整頓を5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)で効率化。
・必要なものをすぐ手に取れるように配置し、定期的な清掃・消毒を行い、習慣化することで業務効率と患者ケアに集中。