SpO₂の正常値は96〜99%と習っていても、受け持ち患者さんのモニターが100%だとつい安心してしまいませんか。100%=理想と思いがちで、酸素流量が本当に適正かまでは意識が向かない…。そんな思い込みから、看護実習でアセスメントが十分にできずにいた場面から、看護の深さを学んだことを振り返ります。

ある看護実習の朝。酸素投与中の受け持ち患者さんを見に行くと、SpO₂は100%でした。
「安定しています」と申し送りにもあり、学生の私は「よし、大丈夫そう」と安心していました。
酸素流量は2L/分。患者さんの呼吸回数や呼吸の様子も落ち着いていたので何の違和感も感じずに、家族や体調のお話をして過ごしていました。

その日の午後、主治医が回診時にSpO2モニターを見て、ひと言。
「酸素量、少し多いね。1Lに下げて、SpO₂94〜98%で維持してください」
「SpO2=100%」で安心していた私は「SpO₂は高いほど良い、わけではないんだ」とその瞬間ハッとしました。
そして、SpO2について学び直しました。
・100%はSpO2の正常値(96〜99%)を超えており、過剰酸素の可能性があること。
・酸素の必要以上の投与はリスクになること。
・患者さんの疾患や呼吸状態、普段のSpO₂の傾向を踏まえて適切な酸素量の調整が必要なこと。
「安定している」と思い込む怖さと、正しい知識が看護の判断を深めると気づいた瞬間でした。

この経験をきっかけに、SpO2の値が持つ意味を考えるようになりました。SpO2=100%に潜むリスクも踏まえ「この患者さんにとって適正な数字なのか」とアセスメントしながら今も観察しています。
患者さんの安全を守るのは、“値そのもの”ではなく、“値の意味を読み取る力”なのだと感じた場面です。



