呼吸理学療法で呼吸機能の改善を目指す!呼吸が苦しそう…酸素だけで本当にいい?実践で活かす“呼吸理学療法

呼吸器内科
2025.08.6
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 呼吸が苦しそう…すぐ酸素を上げればいいのかな?

 臨床でそんな場面に出くわして、指示された酸素投与が変更された経験はありませんか?

 でも、酸素投与だけで本当に大丈夫でしょうか?

 実は、そんなとき呼吸理学療法を知っていれば、看護師としてできることがもっと広がります。

 今回は、“呼吸理学療法”の基本と実践での活かし方をわかりやすくお伝えします!

1.呼吸理学療法とは

呼吸理学療法とは、呼吸機能が低下した患者に対して、呼吸筋トレーニングや排痰介助、リラクゼーションなどを行い、呼吸機能の改善を図るリハビリテーションのことです。

呼吸器疾患や神経筋疾患、呼吸筋の衰え、長年の喫煙歴、過度のストレスなどが呼吸機能の低下の原因となります。

2.呼吸理学療法の目的

呼吸機能の改善や呼吸困難の緩和、肺炎などの合併症予防、ADLの拡大、QOLの向上を目的としています。

対象疾患として、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺癌、気管支喘息等の呼吸器疾患や筋委縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィー等の神経筋疾患などが挙げられます。

3.呼吸理学療法の方法

患者さんに合わせて様々な療法を組み合わせて実施します。

●呼吸法:口すぼめ呼吸、腹式呼吸 

●呼吸筋トレーニング:肩回しや上肢の挙上など

●呼吸介助:用手的呼吸介助

●排痰:体位ドレナージ、タッピング、バイブレーション、スクィージング

●運動療法:歩行練習など

●リラクゼーション:呼吸筋マッサージ、ストレッチなど

●生活指導:呼吸困難が生じやすい動作、呼吸困難時のセルフコントロール方法、適度な運動の勧めなど

4.禁忌と注意

循環動態が不安定な状態、重度の呼吸困難、感染症や骨折の急性期などは呼吸理学療法を行うことはできません。
また、患者さんによっては療法の実施によって状態が悪化する可能性もあります。患者さんの疾患の状態、検査データ、全身状態や訴えなどをアセスメントし、医師や理学療法士と相談して適切な方法を選ぶ必要があるので注意しましょう。

最後に

苦しそうな患者さんを見ると、とまどってしまうこともあるかもしれません。そんな時、ぜひ呼吸理学療法を思い出して実践してもらえたら嬉しいです!

【まとめ】

・肺理学療法を行うことで呼吸機能低下の改善が見込める

・呼吸機能低下の改善はADLの拡大やQOLの向上にもつながる

・患者さんの状態をアセスメントし、医師や理学療法士と相談して適切な方法を選ぶ必要がある

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