正しく知れば大丈夫!看護師の放射線被曝リスクと防護の基本

検査
2025.05.26
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「医療現場で働いていると被曝のリスクってどのくらいあるんだろう?」
そんな疑問を感じたことはありませんか?看護師が関わる放射線を扱う場面は意外と多いものです。日々の業務で被曝の可能性があると聞くと、不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、正しい知識を身につければ、不要な被曝を防ぎながら安全に業務を行えます。今回は、医療現場における放射線防護について解説します。

1.放射線を扱う検査や治療の種類

①検査目的

X線検査:胸部や骨などの一般撮影(単純X線撮影)、X線透視(消化管造影・血管造影など)、CT検査、マンモグラフィなどです。

核医学検査:放射性医薬品を投与し、臓器や疾患の状態を画像化します。

②治療目的

外部放射線治療:体の外から放射線を照射し、がんなどの治療を行います。

小線源治療(密封小線源治療):放射性物質を密封した線源を体内に挿入し、周囲の組織に放射線を照射する治療です。

内用療法:放射性医薬品を体内に投与し、特定の臓器やがん細胞に作用させ治療します。

IVR(血管内治療):X線透視を用いて、血管造影下で塞栓術や血管拡張術などを行う治療です。

2.外部被曝低減の3原則

①距離:放射線源からできるだけ離れる

放射線は距離が遠くなるほど減少します。被曝を減らすためには、放射線源から可能な限り距離を取ることが大切です。レントゲンやCT撮影時は室外へ退避し、ポータブル撮影時は2m以上離れます。透視検査や血管造影の介助は、照射野を意識し不要な接近を避けましょう。

②遮へい:放射線防護具を適切に使用する

放射線を扱う検査や治療の介助を行う際は、放射線防護衣や、放射線防護用ゴーグルを着用します。放射線防護カーテンや防護板の活用も被曝を低減するために効果的です。

③時間:放射線を浴びる時間を最小限にする

放射線を浴びる時間が長ければ長いほど、被曝量は増加します。そのため、可能な限り検査時間や介入する時間を短縮することが重要です。事前に必要なケアを行っておきましょう。

④患者さん自身が線源になる場合

核医学検査や、内用療法、小線源治療など、放射線物質を患者さんの体内に投与した場合は、患者さん自身が線源になります。投与直後など、患者さん自身から放出されている線量が高い場合は、①〜③の対策を行いながら患者さんと関わる必要があります。

【まとめ】

1.看護師が放射線を扱う検査や治療に関わる場面は多い
2.放射線被曝を防ぐためには、「時間・距離・遮蔽」の3原則を徹底する
3.放射線に対する正しい知識と対策を身につけることで不要な被曝を防げる

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