患者さんの急変対応。何回当たっても自信がないし、とっても怖い。
ICLSを何度受けても胸骨圧迫ってとっても勇気が必要です。 でもここで胸骨圧迫の目的、方法を理解し実施できたなら胸骨圧迫が患者さんの未来を変えるかも。
胸骨圧迫の目的、方法、質を維持するためのポイントを見ていきましょう。
1.胸骨圧迫の目的
胸骨圧迫の目的は、心停止下でも脳の血流を維持することです。
脳血流が維持できていなければ、心拍再開後の神経学的予後が不良になってしまうかも。
心停止と判断したら1秒でも早く胸骨圧迫を開始しましょう。
2.胸骨圧迫の方法
4つのポイントを意識して実施。
1.位置:胸骨の下半分 2.深さ:5~6㎝ 3.リズム:100~120回 4.リコイル(もとの位置に戻す)
腕の力だけでなく、カラダ全体を使って実施。腕を垂直にすることで体重を乗せやすくなります。深く押すのは怖いけど、浅ければ脳の血流は維持できません。5㎝押すにはかなりの力が必要です。早すぎても遅すぎても脳への血流量は減ってしまいます。100~120回のテンポを意識して実施しましょう。
3.質を維持するポイント
①2で記載した4つのポイントをしっかり行えば数分で疲れて深く押せなくなってきます。押せてないのに頑張って続けようとすると力が入らず患者さんにとってデメリットになります。胸骨圧迫が始まったら、交代することを意識し交代する人材を確保していくのが大事です。
②中断時間を最小限にすることが大切です。
除細動やパルスチェックなどでの中断時間は最小限になるように。バタバタの中で中断してしまわないように声を掛け合って胸骨圧迫を続けることが大切です。
③胸骨圧迫で肋骨が骨折するのは救急現場でもよくあることです。命を救うための処置なのに、体には骨折という損傷を与えてしまう…。でも考えてみて下さい。肋骨は折れたけど、社会復帰できた。肋骨は折れなかったけど、重大な脳の障害が残ってしまった。あなたならどっちがいいですか?胸骨圧迫の質は患者さんの未来につながる。勇気を持って行いましょう。
【まとめ】
・胸骨圧迫の目的は脳への血流を維持すること。
・4つのポイントを意識して行う。質を維持して中断時間は最小限に。
・胸骨圧迫の質は患者さんの未来につながる。恐れず実施するのがポイント。