患者さんの痛みを軽減する目的や排便を促す目的で温罨法を実施したという人は多いのではないでしょうか。
そんなとき、「一体、何度くらいに温めたものを使えば良いの?」「どの程度温めれば良いの?」と疑問を抱いたことはありませんか。温罨法の温度や温める時間は目安として示されていますが、患者さん個人によって感じ方が異なるのでその人に合ったケアが必要です。
また、ケア中やケア後の観察を怠ったために皮膚トラブルが発生してしまったなんてことにならないよう十分注意しましょう。
1.低温熱傷にご注意
温めたタオルやホットパックを当てていた部位に発赤や水疱ができてしまったという事例があります。当てている時間が短ければ安心というわけではありません。低温であっても同じ部位に当てていることで低温熱傷を起こす危険性があります。温めたタオルやホットパックの温度には十分注意しましょう。また、直接肌に当たることがないようにホットパックはタオルに包むなどした方が良いです。ケア中だけでなくケア後は、当てていた部位の皮膚状態を必ず確認しましょう。
2.人によって心地よい温度はさまざま
2.人によって心地よい温度はさまざま 温めれば気持ち良いと言っても、人によって温度の感じ方はさまざまです。ぬるめが好みの人もいれば、熱いのが気持ち良いと感じる人もいます。こちらの主観だけで判断せずに患者さんの状態を観察しながら好みに合ったケアができると良いですね。ただ、患者さんの希望を優先しすぎて皮膚トラブルを発生させないよう気をつけましょう。
3.目的と効果を考えて
温罨法の目的と効果は、温めることで冷えを改善したり、慢性的な痛みを緩和したりすることです。ほかにも温めることで腸の動きを活発化させ便を出しやすくする効果もあります。便秘を解消したり、痛みを和らげたりするために薬剤を選択することも1つですが、温めることも1つの手段として覚えておくと良いですね。温めることはリラックスにもつながり、気持ちを落ち着かせる効果もあるといえるでしょう。
【まとめ】
1.低温熱傷にご注意
低温熱傷は短時間で発症してしまいますが、一度できてしまった皮膚トラブルは治すのに時間がかかります。十分注意しましょう。
2.人によって心地よい温度はさまざま
温度の好みは人それぞれ。こちらの主観で決めずに患者さんの希望を聞きましょう。
3.目的と効果を考えて 温めることで症状が緩和することもあれば、冷やすことで緩和する場合もあります。用法を間違えると逆効果となってしまうので気をつけましょう。