0件のコメント
物品
2023.12.13
安全な車椅子選びと使用のポイント


下半身に麻痺や筋力低下のある人の車椅子移乗介助には事故のリスクが伴います。2016年1月から2018年6月には35件の事故報告があり、多くは看護師によるものでした。安全で快適な車椅子移乗のためには、適切な車椅子の選択が重要です。車椅子の種類と使用時の注意ポイントについてお伝えします。

1.車椅子の種類

誰が車椅子を動かすかどうかで車椅子の特徴が変わりますポイントは下記の2点です。

a.誰が動かすのか

自走式:
車椅子を利用する人が自分で動かします。車椅子の車輪が大きく、車輪にハンドルがついています

介助式:
車椅子は介護者が動かします。車椅子によっては介助者しか使えない場所にブレーキがついているものもあります。

b.どんな人が乗るのか、選ぶポイント

スタンダード型:
身体機能に著しい低下のない人や短期間の使用に適しています。病院や一般施設に常備されているものです。 移乗操作が見守りから軽介助(少し支える程度で移動可能な方に適しています。

モジュール型:
麻痺がある、下肢の筋力低下があるなどで、移乗に介助が必要な人に適しています。アームサポート・フットサポートが邪魔にならないように動かしたり取り外すことが可能です。  移乗動作時、中介助から重介助(体重を支える、方向転換を誘導する)が必要な方に適しています。

モジュール型は、ベッドから車椅子座面への移動の際に障害物があると、介護者への負担が大きくなります。また、足の動きが悪いとフットサポートに引っかけ外傷や打撲の原因にもなるため注意が必要です。   アームサポートとフットサポートを外すと、ベッドから臀部を少し浮かすだけで下肢を軸にして臀部を滑らせるように移乗することが可能となります。

リクライニング型:
意識レベルが低い方や廃用障害により拘縮や体幹の支持性が低い人に適しています。必要に応じて背もたれを倒すことができます。

全身状態が不安定、長期寝たきりの人など全介助での移乗介助が必要な方に適しています。  リクライニング型は背もたれが倒れます。特にティルト型は背もたれの角度に必要に応じて、フットサポートの角度も変えられるので血圧の低下などにも対応ができ、臀部に皮膚のズレが生じにくくなります。

【まとめ】

1.安全で安楽な車椅子移乗のためには、対象者にあった車椅子を選びましょう。

2.体重支持や方向転換を伴う移乗介助が必要な人には、モジュール式車椅子が望ましい。

3.全身状態の不安定な人、長期寝たきりの人が初めて使用する場合はリクライニング型が望ましい。

Share
  • Facebook
関連記事
ページトップ