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代謝内科
2024.01.21
ちゃんと知ってますか?インスリンのこと


「インスリンって種類が多くて作用の違いがなかなか覚えられない!」「使用前は冷蔵保存と言われたけど、ずっと冷蔵保存だっけ?」「基本空打ちするって聞いたけど、空打ちしないものもあるの?」などインスリンに関する疑問をもっている人は少なくないでしょう。 ここでは、そんな疑問を解決すべく、インスリンの種類と特徴、保存方法、空打ちについてお話したいと思います。

1.インスリンの種類と特徴、接種部位

インスリンには大きくわけて、6つの種類があります。

①超速効型インスリン製剤:
食事に合わせて注射します。速効性が高く、注射後すぐに効果が出ます。

②速効型インスリン製剤:
食事に合わせて注射します。注射後30分程度で効果が出ます。

③中間型インスリン製剤:
食事のタイミングに関わらず注射しますが、時間を決めて注射します。注射後ゆっくりと効き始め、効果はほぼ1日持続します。

④持効型溶解インスリン製剤:
食事のタイミングに関わらず注射しますが、時間を決めて注射します。中間型よりも効果が長く持続します。ほぼ24時間安定した効果が得られます。

⑤混合型インスリン製剤:
食事に合わせて注射します。超速効型や速効型、中間型の混合製剤。

⑥配合溶解製剤:
食事に合わせて注射します。超速効型と持効型溶解インスリン製剤を配合したものです。

2.インスリン注射部位

インスリンの注射部位は、お腹、上腕の外側、おしり、太ももなども選択できます。しかし注射部位によってインスリンの吸収に差があるので注意しましょう。
吸収の速さは、お腹→上腕→おしり→太ももの順です。看護師が患者にインスリンを接種するにあたり、作用時間も考慮して接種部位を考えて接種する方が良いです。

3.インスリン保存方法

未使用のインスリンは冷蔵保存とされていますが、使用中のインスリンは常温保存です。在宅ではときおり、使用開始後も冷蔵保存と勘違いしている人がいます。使用し始めたインスリンを冷蔵すると結露が発生し不具合が発生することがあるため必ず常温保存しましょう。

4.投与前空打ちはするかどうか?

インスリンは注射のたびに空打ちをしなければなりません。空打ちにはカートリッジ内の空気を抜くなど重要な目的があります。  しかしインスリン製剤の中には1回使い切りのものもあり、その場合は空打ちは不要です。うっかり空打ちしないように気をつけましょう。

【まとめ】

・インスリンには6つの種類がある

・それぞれ注射のタイミングと特徴が異なる

・注射部位によって吸収速度が異なる

・開封前のインスリンは冷蔵、開封後は常温で保存

・空打ちしないインスリンもある

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