臀部にドレッシング材を貼る際、ドレッシング材がうまく貼れず、クチャクチャになったり、尿や便ですぐに剥がれてしまうことはありませんか。
ここでは、剥がれにくい臀部へのドレッシング材の貼り方を解説します。
1.臀部に貼る難しさ
臀部には中央に走る溝があり、そのためドレッシング材を貼ったつもりでも、溝の部分が浮いてしまい剥がれやすくなります。さらに、排泄物による蒸れやすさがありますので、特におむつを着用している方は、尿や便による汚染で剥がれやすくなります。
ドレッシング材を貼った直後に尿による汚染がわずかな隙間に尿が入り込んでしまい、ドレッシング材が浮いてすぐに剥がれてしまった経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2.皮膚をしっかり乾燥させる
おむつを着用している患者さんは尿や便失禁により、常に陰部や臀部が湿っていたり、汚れが付着したりしている場合があります。ドレッシング材を貼る前に必ず洗浄し、汚れを取り除きましょう。
わたしは、臀部を洗浄した後、まだ水分の残っている皮膚にドレッシングを貼ってもすぐに剥がれてしまった経験があります。洗浄後には、ガーゼなどで皮膚の水分をしっかりと拭き取り、皮膚が乾燥していることを確認してからドレッシングを貼ることをおすすめします。
3.ドレッシング材の貼り方を工夫する
ドレッシング材をただ貼るだけではすぐに剥がれてしまいます。たとえば、ドレッシング材の四隅の角を丸くカットすることで剥がれにくくなるという方法はよく知られていますが、他にもいくつかの貼り方があります。
臀部の溝は難所ですね。一枚のドレッシング材をそのまま貼ると必ず溝に隙間ができます。溝を埋めるように貼ったとしても、シワができてしまい、そのシワから尿や便が侵入することもあります。 そのため、臀部の溝に合わせてイラストのようにドレッシング材をカット、上から補強すれば隙間が埋められ尿や便の侵入が防げます。この方法をぜひ試してみてください。
【まとめ】
1.臀部の溝は尿や便失禁による汚染もあるため剥がれやすいので要注意
2.ドレッシング材を貼る時は、水分を十分に拭き取り皮膚を乾燥させることが重要
3.ドレッシング材のカットの仕方や貼り方次第で剥がれ予防ができる