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呼吸器内科
2024.08.22
NPPV非侵襲的人工陽圧換気のモードと対応疾患

NPPVとCPAP、同じマスクタイプの非侵襲的陽圧換気でも使用方法や対象が大きく異なります。NPPVとCPAPはどの疾患が対象なのか、明確に理解できていない方も多いのではないでしょうか。今回は、この2つの違いと適応について詳しく解説させていただきます。

NPPVとCPAPの違いと適応

NPPVとは?

NPPVは、気管挿管や気管切開を行わずに、マスクを使用して気道内圧を陽圧に保ち、肺胞が膨らみやすくすることで換気を補助する方法です。

NPPVの主なモードはBiPAP(Bilevel Positive Airway Pressure)です。
BiPAPは、吸気時と呼気時に異なる圧力を提供するモードです。吸気時には強めの風(IPAP)が、呼気時には弱めの風(EPAP)が送られます。
吸気時(IPAP):患者は少ない努力で十分な量の空気を吸い込むことができます。
呼気時(EPAP):患者の気道閉塞を防ぎ、呼吸が楽になります。

適応は、肺機能や心機能が悪化している患者や、吸気時の呼吸補助が特に必要な患者に適応されます。

CPAPとは?

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure) CPAPは、継続的に一定の圧力を提供して気道が閉塞しないように保つモードです。吸うときも吐くときも同じ圧力で、空気の流れが常に一定です。適応は、CPAPは、主に上気道閉塞が原因で呼吸に問題がある患者や、軽度から中等度の呼吸障害がある患者に適応されます。

NPPVとCPAPの使い分け

NPPVが適応される症例・適応疾患の代表例

・慢性閉塞性肺疾患(COPD)

・重度の心不全

・急性呼吸不全

・神経筋疾患

肺機能が悪い患者で、吸気時と呼気時に異なる圧力を提供し、呼吸を補助し酸素供給の改善と二酸化炭素の排出を促進します。

心機能が悪い患者の場合も、心臓の負担を軽減し、肺水腫などの症状を改善。吸気時の圧力が心臓のポンプ機能を助け、呼気時の圧力が肺のうっ血を減少させることができます。

CPAPが適応される症例・適応疾患

・睡眠時無呼吸症候群(SAS)

・軽度から中等度の心不全

上気道の問題が主な患者で一定の圧力で睡眠中の気道閉塞を防ぎます。患者は呼吸停止がなくなり、睡眠の質が向上できます。

【まとめ】

-NPPV(BiPAP)は、吸気時と呼気時に異なる圧力を提供し、肺機能や心機能が悪化している患者が適応

-CPAPは、継続的に一定の圧力を提供し、上気道閉塞や軽度から中等度の心不全の患者に適応

-NPPVはCOPDや急性呼吸不全に使用、CPAPは睡眠時無呼吸症候群に使用される

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