発熱や熱感を伴う腫脹に対して行うケアとしてクーリングがあります。病院では医師から解熱剤やクーリングの指示が出ることもありますが、看護師の判断でも行えるケアです。今回は、正しいクーリング方法を紹介します。
1. 発熱時のクーリング
クーリングとクーリングを行う部位
保冷枕や氷と水を入れたビニール袋、保冷剤などクーリング部位に適したものを用います。
大きい血管が通っている部位を冷やします。特に後頚部、腋窩、鼠径部は効果的に体を冷やすことができます。
注意点、禁忌
クーリングに用いるものはタオルやハンカチなどの布を巻いてから当てましょう。クーリング剤の清潔を保つほか、凍傷を避けることができます。
そして、クーリングの際麻痺側は避けます。麻痺側は感覚を感じないため凍傷のリスクが高まるためです。また、寒冷アレルギーの方もアレルギー症状が出るため禁忌です。
クーリングを行った際は凍傷やアレルギーが出ていないか皮膚状態や体調の定期的な観察が必要です。
2. 熱感を伴う腫脹に対するクーリング
注意点、禁忌
熱感を伴う腫脹に対するクーリングは、熱感の悪化を防ぎ、症状を和らげることが目的です。
タオルやハンカチを巻いたアイスパックや保冷剤を用意し、腫脹部位に当てましょう。その際、皮膚状態をこまめに確認し、症状が和らいでいるかをチェックしてください。もし腫脹や痛みが時間とともに強くなる、関節が曲げられない、動かせない場合は、早急に病院を受診することが重要です。
クーリングができない場合
患者がクーリングを拒否したり、アレルギーがあってクーリングができない場合は、室温を下げたり、薄着になってもらうことで、体内に熱がこもらないように注意しましょう。ただし、熱があっても悪寒や戦慄がある場合は、体温がまだ上昇している状態です。その際はクーリングを避け、毛布や布団で身体を温めることで、患者の安楽を図ります。
【まとめ】
-保冷枕やアイスパック、保冷剤を部位に適した冷却するものを用いて大きい血管が通っている後頚部、腋窩、鼠径部を冷やす
-熱があっても悪寒戦慄があるときは、熱がまだ上がる状態のため、クーリングせず毛布や布団をかけて身体を温める
-凍傷のリスクが高まるため、麻痺側を避けてタオルやハンカチを巻いて当てる
-熱感を伴う腫脹に対するクーリングは、熱感を悪化することを防ぎ、少しでも辛い症状を和らげることが目的 ・腫脹や痛みが時間が経つにつれて強くなる場合や、うまく関節が曲げられない、動かせない場合は早急に病院の受診が大切