モニター心電図を使うとき「波形がうまく出ない…」と悩んだことはありませんか?波形がきれいに表示されないと、ノイズが入って不整脈と間違えたり、何度も貼り直すことになったりして困りますよね。
手術後や化学療法の治療中など、心電図モニターは大切な観察ツールです。貼る場所やリードの扱い方を少し工夫するだけで、波形がきれいに表示されやすくなります。今回は、すぐに実践できる電極貼付の5つのコツを分かりやすく紹介します。
1、誘導を把握する

リードとは、電極と心電図モニターをつなぐコードで、心臓の電気信号を拾って波形として表示します。
基本の3点誘導では以下のように電極を貼ります。
・赤:右鎖骨の下
・黄:左鎖骨の下
・緑:左下胸部
この貼り方でⅡ誘導が表示され、P波・QRS波・T波がはっきり確認できます。
2、貼る部位の皮膚をきれいに保つ

電極を貼る前に皮脂や汚れをしっかり落としましょう。アルコール綿で皮膚を拭くと乾燥を招くことがあるため注意が必要です。ディスポの清拭タオルなどを使用すると良いでしょう。毛が多い場合は剃毛すると、電極が密着してノイズが入りにくくなります。
3、安定した皮膚に貼る
筋肉や皮膚のたるみを避けて動きが少なく安定した皮膚に電極を貼ります。筋肉や皮膚の動きによるノイズを防げます。
4,乾燥していない電極を使う

電極シールが乾いていると粘着力が弱くなり、波形が乱れる原因になります。使用前の保存方法にも注意しましょう。
5、リードを整える
リードが絡まっていると波形が乱れ、誤鳴動の原因になります。リードを装着する前に手でほぐしておくと良いでしょう。
また、リードがピンと張っていると皮膚に負担がかかり、皮膚トラブルや断線の原因になります。皮膚が引っ張られない位置にモニターを固定することが大切です。
補足:特殊なケースへの対応
認知症などで患者さんが心電図モニターを自分で外してしまう場合は、視界に入りにくい背中に電極を貼る方法もあります。
ただし、電極を貼っている部位に長時間体圧がかかると褥瘡を作る原因になるので、注意が必要です。
モニター心電図は、患者さんの状態に合わせて貼り方を工夫することが大切です。波形がうまく表示されないときは、ぜひこの5つのコツを意識してみてください。
【まとめ】
モニター心電図の波形がきれいに表示されない時は、5つのコツを意識してみましょう。
1、 誘導を把握する
2、 貼る部位の皮膚をキレイに保つ
3、 安定してた皮膚に貼る
4、 乾燥していない電極を使う
5、 リードを整える