看護実習が始まると「関連図ってどう書けばいいの?」と悩む学生は少なくありません。関連図は患者さんの状態を整理し、看護の方向性を見つける重要なツールです。実際に看護師として就職してからも、必要な考え方ですが、最初は難しいと感じる人も多いでしょう。今回は現役看護師の視点で、関連図を理解しながら書くコツを解説します。
1.関連図とは?

関連図とは、患者さんに関する情報を繋げて「この患者さんにどんな問題があるのか」を整理・共有するための図です。最初は難しく感じるかもしれませんが、イメージとして「関連図は頭の中で考えていることを見える化したメモ」と考えるとよいでしょう。
2.関連図の基本的な流れ

1)中心に患者情報を書く
まずは患者さんの年齢・疾患・主な症状などの全体像を中心に書きます。
例:「70歳男性、肺炎で入院」
2)事実を外側に広げる
バイタルサインや症状、検査データ、生活背景、環境などを周囲に配置します。
例:「38.5度の発熱」「咳嗽強い」「SpO2:90%」「妻と二人暮らし」
3)矢印で各情報をつなぎ意味付けする
「なぜそうなっているのか?」「何に影響しているか?」などの繋がりを考えます。
例:「咳嗽強い→疲労感→食欲低下」
4)問題点を浮き彫りにする
矢印をたどると「ガス交換障害」「栄養不足のリスク」などの看護が必要な問題点が見えてきます。

3.関連図の作成でつまづきやすいポイント
まず、データを並べるだけでは情報の関連性が見えてきません。患者さんに起こっていることは、すべて何らかのつながりがあるはずなので、そこを深掘りして考えてみましょう。
次に患者さんの背景や環境によって、解釈は変わります。自分なりの考えを関連図に反映できていれば大丈夫です。
また、情報が多くなりすぎると複雑化してしまいます。患者さんにとって優先度の高いものから整理していくと、よりわかりやすい関連図になるでしょう。
4.関連図を書く時に困ったら?

「情報はたくさんあるが、何から書いて良いかわからない」、「書き出そうと思ってもペンが進まない」といった方は付箋を使うとハードルが下がって書きやすくなります。自分の持っている情報を付箋に書いて張り出していくことで、可視化しながら情報の整理がしやすくなります。
関連図を書く際、分析できる情報が多ければ多いほど、看護展開がしやすくなります。カルテをよく読み、患者さんや家族の話を聞いて情報収集します。そして、「なぜ、その症状が出ているのか」「なぜ、食欲がないのか?」などそれぞれの情報に疑問を持ち、考えることが重要です。
【まとめ】
・関連図は、患者さんの情報を整理し「この人にとってどんな問題があるのか」を見える化するツール
・書き方は4ステップで①中心に患者情報を書く→②周囲に事実(バイタルサインや症状など)を並べる→③情報をつなぎ意味付けする④看護上の問題を導く
・関連図に正解はないので、情報を整理して自分なりに考えることが大切
・困ったときは付箋で情報を書き出し整理して、「なぜ?」を考えてみよう



