正答率が低かったこの問題、あなたは解ける? ”日常生活自立支援事業のサービス内容”

国家試験対策
2025.12.22
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「第114回看護師国家試験」では、正答率が低かった問題の一つに”日常生活自立支援事業”の内容を問うものがありました。これは社会福祉協議会との契約に基づいて行われるサービスですが、介護保険サービスや後見制度と混同しやすいため確認しましょう。

【午前問題89】日常生活自立支援事業のサービス内容で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.住民票の届出

2.福祉用具の貸与 

3.入院時の身元保証 

4.自家用車の売買契約 

5.銀行口座から現金の引き出し

正解は「1.住民票の届出」と「5.銀行口座からの現金引き出し」です。

介護サービスや成年後見人制度と混同しやすい点から「2.福祉用具の貸与」や「4.自家用車の売買契約」などを選択しがちかもしれません。

どの選択肢も日常生活に関係するので迷ってしまうと思います。

ここでは、日常生活自立支援事業について一緒に整理していきましょう。

日常生活自立支援事業とは、軽い認知症や知的障がい、精神障がいがある方を対象とした支援制度です。

一人では日常生活に不安のある方が、地域で安心して過ごせるよう、契約に基づいて援助します。

具体的には、福祉サービスの利用手続きや預金の出し入れ、公共料金の支払い、重要書類の保管に不安がある方が対象です。

事業サービスの内容を理解して、ご自身の意思で契約する必要があるため、判断能力が著しく低下した方は対象になりません。

具体的なサービス内容は以下の通りです。

①福祉サービス利用援助 : 福祉サービスの利用に関する情報提供や相談、契約のお手伝い・郵便物の確認・住宅改造や居住家屋の賃借に関する情報提供、相談・商品購入に関する簡易な苦情処理制度(クーリングオフ制度等)の利用手続き・住民票の届け出等の行政手続き 

②日常的金銭管理サービス:福祉サービス利用料、医療費、税金、保険料、公共料金、家賃の支払い手続きや年金や福祉手当の受領に必要な手続き 

③書類預かりサービス:年金証書、預貯金通帳、権利証、実印などの書類預かりになります。

それでは、設問の選択肢を確認しましょう。

「1.住民票の届出」は①福祉サービスの利用援助に含まれます。 

「2.福祉用具の貸与」は介護保険サービスの一つになるため不正解です。

「3.入院時の身元保証」は家族や知人・友人への依頼や身元保証サービス会社と契約、後見人制度の利用になるため不正解です。

「4.自家用車の売買契約」は、自家用車は重要な財産となります。重要な財産の管理や契約は、成年後見人制度となるため、この事業には該当せず不正解です。

「5.銀行口座からの現金の引き出し」は②日常的金銭管理サービスに含まれます。

社会資源は似たような名称の制度が多く迷ってしまいます。

各事業の概要と対象者を整理すると覚えやすくなります。

【まとめ】

・この事業は、一人では日常生活に不安のある方が、お住まいの地域で安心して生活を送れるよう援助する事業です。

・サービス内容を理解し、ご自身の意思で契約できる方が対象になります。

・事業内容は①福祉サービス利用の援助②日常的金銭管理サービス③書類預かりサービスです。

・サービスを利用するにはそれぞれ費用がかかります。

・各事業の概要と対象者を整理すると覚えやすくなります。

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