実習でネーザルハイフロー患者を受け持った時の緊張感と学び

実習サポート
2025.12.20
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実習で病室に入った日。 モニター音と機械音に緊張して、足がすくんだことを思い出します。でも、受け持ち患者の「おはよう」という優しい声を聞いた時、“あれ?怖くないかも”と肩の力が抜けました。会話ができる鼻チューブのネーザルハイフローは、「命をつなぐ機械ではなく生活を支える道具」だという気づきが、急性期看護を身近に感じさせてくれました。

成人看護学実習で受け持ったのは、肺炎による呼吸不全でネーザルハイフロー(NHF)を使用していた70代の女性。

人工呼吸器装着や気管切開カニューレ挿入中の患者を遠くから見る経験しかなかった、当時の私。医療機器があるだけで“近寄りがたい”と感じていた私にとって、ネーザルハイフローは命を支える“特別な機械”というイメージでした。

ネーザルハイフローは高流量の酸素を加温・加湿して送り、呼吸を助ける酸素療法です。マスクや挿管、気管切開ではなく、鼻で酸素が吸えるため、会話や食事ができます。

患者は、鼻チューブを指しながら「音はうるさいけど、これで息が楽になるの」と話してくれました。

私は、ネーザルハイフローのケアを学びながらも、呼吸管理やバイタルサインの変動ばかり気になり、頭がいっぱいになっていました。

そんな時、患者の「鼻の下が不快で眠れない」という訴えがありました。 回路の固定位置を調整すると翌日には「昨日より眠れたよ」と報告してくれたのです。“ほんの少しの工夫で生活の質が良くなる”ことを実感できました。

また、昼食では「味が分かることがうれしい」と笑顔を見せる患者。食べる・話す・呼吸する──その回復過程を間近で感じることができました。

この患者を受け持ちになって、高濃度酸素療法の機器は”命を支える特別な機械”ではなく“生活を支えるための道具”と捉えるようになりました。

患者は、ネーザルハイフローによる呼吸のサポートで、「食べる・話す・笑う」時間を取り戻せます。

“呼吸の安定”がゴールではなく“その人らしい生活”を支えるケアをすることが大切だということを学びました。

【まとめ】

・関連図は、患者さんの情報を整理し「この人にとってどんな問題があるのか」を見える化するツール

・書き方は4ステップで①中心に患者情報を書く→②周囲に事実(バイタルサインや症状など)を並べる→③情報をつなぎ意味付けする④看護上の問題を導く

・関連図に正解はないので、情報を整理して自分なりに考えることが大切

・困ったときは付箋で情報を書き出し整理して、「なぜ?」を考えてみよう

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