実習中の看護学生なら、誰もが頭を悩ませる看護計画の立案。睡眠時間を削って計画を立てたのに「個別性がない!」と言われて、途方に暮れた経験はありませんか?
この記事では、筆者が白血病患者Aさんとの出会いを通して学んだ、その人らしさを看護計画に反映するコツを紹介します。
「パッションがない」と突き返された看護計画
私が実習で受け持ったAさんは、白血病で長期入院中の60代の男性。優しく我慢強い性格のAさんでしたが、ふと治療や予後への不安を口にすることがありました。
そんなAさんの姿を見た私は「少しでもAさんの苦痛や不安を和らげたい!」と思い、必死に看護計画を考えました。
しかし、立案した看護計画を担当教員に提出すると「悪くはないけど、パッションがないのよね」と言われ、イチから考え直すことになったのです。
看護計画に「個別性」をだす3つのコツ
はじめは「パッションがない」という意味がわかりませんでした。繰り返し計画を見直していると、個別性が足りないことに気付きました。
私の看護計画は「白血病の患者さん」に向けた計画であり、目の前にいる「Aさん」を思って考え抜かれたものではなかったのです。個別性のある看護計画を立てるため、私は次の3点を見直しました。
1. 記録から得た情報にとらわれていないか?

Aさんの看護記録には「治療について不安・疑問はなく前向きに治療に臨んでいる」といった記載がありました。しかし実際には、医療従事者に気を遣って声をかけられず、奥さんに書籍などから情報収集するよう頼んでいたのです。
カルテや看護記録の情報を鵜呑みにするのではなく、可能な限り自分で確認してみることが大切です。
2. 誰でも同じケアができる書き方になっているか?

例えば「(O-P)顔色」とあっても、患者さんによって見るべきポイントや観察の仕方は異なります。
貧血で顔色が青白かったAさんの場合、唇が白くなっていたり、眼瞼結膜がピンク〜白色になっていたりすると、顔色が悪いと判断できます。
「Aさんと初対面の学生が見ても同じケアができるか?」という視点で計画を見直すと、個別性の足りない部分が見つかるかもしれません。
3. 患者さんや家族の意見が反映されているか?

患者さんや家族と相談しながら計画を立てると、思わぬ本音や希望が見えてくることがあります。
当時Aさんに清潔ケアの方法を相談すると「実は恥ずかしいので、清拭・更衣は妻にやって欲しい」「足浴時に入浴剤を入れてお風呂に入っている気分を味わいたい」といった思いを打ち明けてくれました。
基本的なことですが、患者さんや家族の思いを丁寧に汲み取り、看護計画に反映させることが大切です。
目の前の患者さんのことだけを考え、じっくりと看護計画が立てられるのは学生の特権です。
1人の患者さんにとことん寄り添った経験があるからこそ、看護師として複数の患者さんを受け持ったときにも、個別性のあるケアが提供できるようになるのだと思います。
まとめ
個別性のある看護計画立案には、以下の3点を意識すると良い。
・紙面の情報だけにとらわれない
・誰でも同じケアができる書き方を意識する
・患者と家族の意見や希望を反映させる



