【看護師国家試験第114回 午前85】肝細胞癌について確認しておこう!

国家試験対策
2026.01.27
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2025年第114回看護師国家試験で正答率が低かったとされている午前85番。肝細胞癌に関する出題ですが、正答率は衝撃の9.7%でした。多くの受験生が「黄疸の時期」や「腫瘍マーカー」の選択肢に惑わされ、涙をのんだ一問です。しかし、問われているのは奇問ではなく基礎知識の正確な理解。なぜこれほど正答率が低かったのか、その「つまづきポイント」と攻略法を徹底解説します。

【第114回 看護師国家試験 午前問題85】問題:肝細胞癌で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.  早期から黄疸が出現する。

2.  原発性肝癌の中で最も頻度が高い。

3.  診断に腹部超音波検査が用いられる。

4.  特異性の高い腫瘍マーカーはCEAである。

5.  肝内胆管の細胞が腫瘍化して発生する癌である。

正答率は9.7%のこの問題は、多くの受験生が涙をのんだ超難問です。 正解するには、①症状の時期(黄疸は早期か末期か)、②腫瘍マーカー(AFPかCEAか)、③発生メカニズム(肝細胞か胆管か)という、3つの異なる知識をすべて正確に区別する必要があります。

特に、肝細胞癌は「慢性肝炎→肝硬変→肝細胞癌」という進行を経るため、初期は無症状であり、他の消化器癌とは性質が大きく異なります。この「病態の全体像」を整理していきましょう。

各選択肢の解説

1. ✕ 早期から黄疸が出現する。

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、肝細胞癌は初期段階では自覚症状がほとんどありません。皮膚や白目が黄色くなる黄疸は、肝機能が著しく低下した場合や、がんが胆管を圧迫・閉塞した場合に出現します。黄疸は多くの場合、肝細胞癌の背景にある肝硬変が進行した状態か、あるいは肝細胞癌自体がかなり進行してから見られます。すなわち、早期からの特徴的な症状ではありません。 

2. ◯ 原発性肝癌の中で最も頻度が高い。

肝臓から発生するがんは「原発性肝癌」と呼ばれます。原発性肝癌は、主に肝細胞ががん化する「肝細胞癌」と、肝臓内の胆管の細胞ががん化する「肝内胆管癌(胆管細胞癌)」に分類されます。日本においては、原発性肝癌の約90%以上を肝細胞癌が占めており、最も頻度の高いタイプです 。

当時の私は「便を出すこと=正しいケア」と考えていました。便を出さなければ腸閉塞の危険性も高まります。これ以上不穏が酷くなるのも懸念していました。同時に私は介助がうまくいかないことに焦りと苛立ちを感じていました。

3.◯  診断に腹部超音波検査が用いられる。

肝細胞癌が疑われる場合、その診断のために複数の検査が行われます。腹部超音波(エコー)検査は、体に負担が少なく行えるため、スクリーニング検査や精密検査として用いられています。超音波検査で腫瘍が見つかると、さらにCT検査やMRI検査といった詳細な画像検査や、腫瘍マーカーの測定を組み合わせて総合的に診断されます。

4. ✕ 特異性の高い腫瘍マーカーはCEAである。

腫瘍マーカーとは、がん細胞が作り出す特殊な物質のことです。これは血液検査や尿検査で測定できます。肝細胞癌の診断に有用で、特異性が高いとされる腫瘍マーカーは、AFP(アルファ・フェトプロテイン)、PIVKA-Ⅱ(ピブカ・ツー)、AFP-L3分画です。

一方、CEA(がん胎児性抗原)は、大腸がん、胃がん、肺がんなど、多くの消化器がんやその他のがんで上昇するマーカーです。肝内胆管癌ではCEAが上昇することもありますが、肝細胞癌の主要なマーカーではありません。

5. ✕ 肝内胆管の細胞が腫瘍化して発生する癌である。

この記述が指しているのは「肝内胆管癌(胆管細胞癌)」です。肝細胞癌は、その名の通り、肝臓を構成する主要な細胞である「肝細胞」ががん化して発生する腫瘍です 。肝内胆管癌とは発生する細胞が異なるため、治療法も異なり、明確に区別されています。

まとめ

・肝細胞癌は「慢性肝炎 → 肝硬変 → 肝細胞癌」と進行

・肝臓は沈黙の臓器と言われ、早期は無症状。「黄疸」は進行期や末期に見られるサイン。

・侵襲が少なく簡便な「腹部超音波検査(エコー)」がスクリーニングの第一選択。

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