エンゼルケアは患者さんに行う最後のケアです。亡くなった方を少しでも生前に近い姿に整えることがケアの目的ではないでしょうか。「その人らしさ」をケアすることを念頭に、どのようなことに注意した方がよいのかみていきましょう。
あるある1:エンゼルメイクは男性もするのか?
「女性にはエンゼルメイクが必要ですが、男性にお化粧は不要ですよね。」という看護師に時折遭遇します。たしかに「男性にお化粧なんて」と思う人もいるかもしれません。しかし、死後、時間とともに身体は変化していきます。エンゼルメイクは何のために行うのでしょうか。本来エンゼルメイクとは、単に身だしなみを整えるだけの目的ではなく、生きておられた時のその人らしさを引き出すために行うものです。ご家族の希望などを聞きながら、性別関係なく、必要であればエンゼルメイクを施すことをおすすめします。
あるある2:手を組むのは必須?
亡くなった方が手を組んでいるイメージを持っている人は少なくないかもしれません。しかし、実際エンゼルケアを行うときは必ずしも手を組む必要はありません。ご家族と相談しどのような形で身体を整えるのか決めましょう。ケアする側の思い込みや固定概念でエンゼルケアをすることはよくありません。気をつけましょう。
あるある3:アゴは縛ってはいけない?
「亡くなった患者さんの口が開いている!アゴを縛った方がいのかな?」と迷うことはありませんか?たしかに口が開いたままだとよくない気がしますね。しかし、縛るのはよくありません。縛った部位がうっ血し、お顔の様子が変わってしまうことがあります。縛るのではなく、枕を高くして顎の下に巻いたタオルを置くなどして対応すると良いでしょう。
【まとめ】
1.ご家族に確認しながら「その人らしさ」を出せるように整えましょう
2.必ずしも手を組まなければならない決まりはありません。思い込みでケアせずご家族と相談しましょう
3.「縛る」行為は危険です。お身体を傷つけないよう気をつけましょう。