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2024.04.15
拘縮がある患者さんへの更衣、着脱のポイント

麻痺や廃用症候群で四肢の拘縮が進んでいく患者さんは少なくありません。
拘縮が強く、入浴や清拭前後の着脱が難しいと思った経験はありませんか?
病衣に袖を通す際に力を入れすぎると骨折や内出血を作るリスクがあるため、ポイントを抑えて簡単に更衣を行いましょう。
今回は、拘縮がある患者さんへ簡単に着脱が行えるポイントを紹介します。

1.脱ぐ時は健側から、着る時は麻痺側から行う

脱ぐ時は、最初に袖を通すほうが、着る時は後から袖を通すほうが身体が窮屈になってしまいます。そのため、可動域が広い健側から脱ぎ、着る時はゆとりをもたせることができるため、患側から行います。
袖を脱ぐ前に反対側の袖の肩の部分を下ろしておくとゆとりが生まれて脱ぎやすくなります。
また、着る際にはあらかじめ介助者の腕に患者さんの寝衣の袖を手繰り寄せておくことでスムーズに袖を通すことができます。

2.関節部を支える

拘縮で身体が固まってしまっているところを無理に力を加えると骨折や内出血のリスクがあります。
また、痛みを感じる方は無理に力を加えられることで苦痛や痛みが伴います。関節部を手で支えて袖を通すことが大切です。
また介助する際に、できるだけ手のひらを大きく使い、腕も活用しながら着脱しましょう。
てこの原理や介助する側の面積が大きいことで少ない力で上手く力が入るようになります。

3.拘縮部を広げる際には時間をかけてゆっくり支える

袖を通す際に拘縮部を広げる必要があります。無理に力を加えなくても関節部を支えてゆっくり時間をかけると徐々に拘縮部は広がります。

4.タオルやクッションを活用する

拘縮が強い方は、ゆっくり時間をかけて拘縮部を広げてもすぐに元に戻ってしまうことがあります。
なかなか人手が確保できなかったり、袖を通すことが難しかったりする場合には拘縮部を広げたあとにタオルやクッションを一時的に挟むことで袖を通すことがスムーズに行えます。
もちろん長期的に挟むと圧迫されて血流障害や傷、褥瘡ができる可能性があるため気をつけましょう。

【まとめ】

・脱ぐ時は健側から、着る時は麻痺側から行うこと

・関節部を支えて拘縮部を時間をかけて広げる、クッションやタオルを活用する

・無理に力を加えると骨折や内出血を作る原因になるため注意が必要

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