新生児集中治療室では早産児や低出生体重児など哺乳力の弱い赤ちゃんを目にする機会が多くあります。必要量を飲ませることができず落ち込んだ経験がある人は多いでしょう。
赤ちゃんの負担を減らす瓶授乳のコツと乳首選択のポイントをお伝えします。これで「赤ちゃんが疲れて必要量が飲みきれない」なんてことがなくなるはずです。
瓶授乳での授乳時間の目安は20分程度です。20分以上は疲れて上手に吸啜が出来なくなるためです。
赤ちゃんの負担を減らす瓶授乳のコツは2つです。
1.正しい位置と姿勢
赤ちゃんの頭と首を支え上半身を少し起こした体勢で抱きます。口に対して真っ直ぐと乳首を咥えさせましょう。
唇が外に開いているか、乳首が深く咥えられるか確認します。介助者にとって負担がない姿勢で行いましょう。
2.授乳ペースの観察
授乳開始時は空腹で哺乳欲求が強いため、むせや呼吸変動に注意が必要です。哺乳が緩慢になった時は途中で排気をしましょう。腹部が減圧し改善することがあります。
20分で必要量が飲みきれないケースは乳首選択を検討しましょう。
乳首選択のポイント
赤ちゃんは吸着・吸啜。嚥下の協調運動によって哺乳しています。飲めない原因が何にあるかを見極め、乳首選択をしましょう。乳首選択のポイントは3つです。
1.乳首の形
様々な乳首がありますが、乳首が平たいものか長いものかで分けることができます。平たい乳首で飲みにくさがある場合は、長いものに変更しましょう。高口蓋の赤ちゃんには乳首が長いものが適しています。
2.乳首の硬さ
硬いと疲れる原因に、柔らかいと満足感が得られずこぼしの原因になります。月齢や体重相当の乳首を基準とし乳首の硬さを調整しましょう。
時間内に飲みきれないケースは乳首を柔らかくしましょう。反対に、吸啜力が強く哺乳中に乳首が潰れるケースは乳首をより硬いものに変更しましょう。
3.乳首の穴の形状
穴の形状によってミルクの流量が変化します。流量が過剰の場合、むせやこぼしの原因になります。流量が過小の場合、哺乳時間が長くなり疲れる原因になります。赤ちゃんが飲みやすい流量となる穴の形状を選択しましょう。
【まとめ】
赤ちゃんの負担を減らす瓶授乳のコツは2つです。
1.正しい位置と姿勢
2.授乳ペースの観察
20分で必要量が飲みきれないケースは乳首選択を検討しましょう。
乳首選択のポイントは乳首の形・硬さ・穴の形状の3つです。
月齢や体重相当の乳首を基準とし乳首を調整しましょう。