高齢者が入院すると、数日であっても「下肢筋力が低下し歩きにくくなった」という経験を多くの方がされていると思います。
歩くことがままならなくなると、転倒の危険性は一気に高まりADLも急降下します。 そうならないために、ベッドサイドでバランスボールを使って簡単にできる運動をお伝えします。
1.使用するバランスボールは55cm大です。
空気は60〜70%程度入れます。
2.背もたれのある椅子に深く座り、床に置いたバランスボールの上に両足を乗せます。
①足踏み
・歩くように左右の足を動かすと、バランスボール内の空気が移動するため、楽に足踏みができます。
・小さく早くならないように、ゆっくり深く踏みます。
・片足を踏めば反対側の足は上がりますので、筋力が低下していても容易に足踏みが可能です。勿論筋トレ効果は十分に期待できます。
・麻痺がある人は、患側の足を健側の手で押せば同じように足踏みができます。
②蹴り出し
・両足を揃えて前に蹴り出します。
・元の位置に戻します
3.実施時間
①②それぞれを音楽1曲分、或いはコマーシャルの間だけ行うなど、日常生活の中に組み込むと毎日続けやすいです。
場所を取らず、天候に左右されず運動できます。病院でも、施設でも、自宅でも簡単に、安全に、苦痛無くできる運動です。
有料老人ホームでは、昼食前の5分間に待合ロビーで、懐かしの曲に合せて実施されていました。食前の軽い運動で食欲が増し、誰かと一緒に行うことで会話も盛んになり、楽しい食事に繋がります。歩行器を使用していた方が、ゴルフのラウンドができるようになり、体力や筋力の回復も期待できます。
【まとめ】
1. バランスボール上で足踏みや蹴り台運動だけで筋力アップできる
2. 室内で短時間で行えるので、続ければ筋力アップに効果的