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2024.07.31
【座談会】こういう時どうする?認知症患者さんの食事介助編

患者さんのケアでさまざまな悩む場面があると思います。今回は認知症患者さんの食事介助編ということで、患者さんの状態や意思を尊重しながら、どこまで食事を促すべきかについて、臨床倫理の4分割法を用いて3人の看護師で事例検討を開催しました。

【事例】

認知症が進行した患者さん。嚥下機能は保持していますが、食事介助時に3回中1回しか嚥下してもらえません。1時間くらい頑張ると半分くらい食べれます。家族の意向はほとんどない状態です。  このような場合、どの程度まで食事を継続するか、またどのような介入方法が適切でしょうか?

【座談会メンバー】

Aさん(青木さん):病院・重度身体障害者施設・訪問看護ステーションなどを経験。現在特養勤務。

Bさん(大野さん):看護師歴:24年 病院・重度身体障害者施設を経験。現在クリニック勤務。

Cさん(西山さん):看護師歴20年以上、現在訪問看護ステーション勤務。

Q.みなさんだったらこの場合、どのように対応しますか?

看護師A

食事介助を積極的に行うと誤嚥リスクがある。反対に、食事介助をしない場合は機能低下のリスクがある。  患者さんの医学的適応とQOLを考え、食べられる現実的なラインを考える必要がありそうです。

看護師B

アセスメントは重要ですよね。そして同じくらいに「本人が食べたいと思っているのか」は大きな要素だと思います。

Q.認知症患者さんのように、本人の意思表示が難しい場合はどう対応されていますか?

看護師A

長い時間をかけて飲み込めたとしても、それが本当の意思なのかどうかわかりません。諦めて飲み込んだのかもと思ったり。認知症が進行すると、患者さんの思いを汲み取るのは難しいですね。

看護師B

同感です。ただ、繰り返し患者さんと関わる中で、小さな表情の変化から気付けたりすることもあるのかなとも思います。

看護師C

患者さんと共有する時間が長ければ長いほど変化には気づきやすくなるかもしれません。在宅では患者さんと長く過ごす家族の意見を参考にすることが多いですね。

看護師A

患者の様子を意識して観察することが大切ですね。知識も大事だけど、目の前にいる患者さんをよく見て、何が言いたいのか、何が求められているのか理解する。これが、看護の面白さでもあると思います。

看護師B

コミュニケーションは言葉だけじゃない、と改めて思いました。

Q.事例を踏まえて、みなさんは看護師の役割とはなんだと考えますか?

看護師A

患者さんや家族の意向と医療者側との調整役という側面があると思います。

看護師C

いくら患者さんの意向でも、患者さんに危害が生じる行為は止める必要がある。医療倫理の四原則には「自立尊重」「無危害」「善行」「正義」のバランスを取ることが看護師の大きな役割だと考えます。

看護師B

スタッフで統一したケアができるように、経験値や技術の共有も重要ですね。経験値の差は確かにあって。経験の差によるケアの質のばらつきを解消することが肝心です。

看護師A

患者さんを丁寧に観察し、その人の意思を理解しようとすることは経験値に関わらずできる部分だと思います。

患者さんをよく見る。よく見ようと思って観察しないと、見逃してしまうサインがあると思うんですよね。看護師として大切にしたいところです。

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