大腸がんなどの治療でストーマ(人工肛門)が必要になることがあります。ご自身でパウチ交換ができる方もいますが、入院中には看護師がパウチ交換を行うケースも少なくありません。頻繁に行う機会が少ないため、手順がわからず困惑することもあるでしょう。そこで今回は、ストーマのパウチ交換時に「難しい…」と感じる場面と、その対処方法をわかりやすくご紹介します
1. 準備の不安を解消する
●ストーマパウチ交換の前に、患者さんに手順を説明し、希望を確認します。
●必要な物品をすべて準備し、使いやすいように手元に配置します。
・手袋
・ストーマパウチ
・リムーバー
・ビニール袋
・ガーゼ
・洗浄液
・固定テープ
・皮膚保護剤
・はさみ
●パウチの穴をストーマの大きさに合わせてカットします。
●プライバシーに配慮し、個室や処置室で換気を行いながら作業します。
2. パウチの剥がし方
●寝衣が汚れないように胸下までしっかり捲り上げます。
●使っていたパウチを剥がす際は、ビニール袋を下に置き、剥離剤をパウチ上部から使用します。
●肌とパウチの間に指を優しく入れ、ゆっくり剥がします。
●片手で剥離剤を使用し、もう片手でパウチを剥がすと、周囲や物品の汚染を最小限に抑えられます。
3. パウチのカット方法
●ストーマパウチには、皮膚にはる面板とパウチが別々になったものと、一体型のものがあります。
●面板が別になっているタイプは、専用のハサミを使うとカットしやすいです。
●ゴム素材と接着面は粘着性があるため、力を加えるとカットしやすくなります。
●一体型の面板を切る際は、パウチを切らないように注意します。面板に近いパウチを広げて空間を作ると切りやすいです。
4. 面板を皮膚に密着させる方法
●ゴム素材の面板は硬く、皮膚に馴染まず剥がれやすいことがあります。
●ストーマの部分に面板の穴を合わせ、手のひらで優しく押し当てます。体温で面板が柔らかくなり、密着しやすくなります。
●ストーマ近くの皮膚と面板を、指を使って少しずつ押し当てると、より密着します。
【まとめ】
-必要な物品を準備・配置し、パウチの穴をストーマのサイズに合わせて事前にカット
-片手で剥離剤を使用しながら、もう片手でパウチをゆっくり剥がす
-ストーマパウチは、面板とパウチが別々の場合は専用ハサミを使用し、一体型の場合はパウチを広げてカット
-面板をストーマに合わせて押し当て、体温で柔らかくしながら指で少しずつ押し当てて密着