採血の血管が見えにくい原因②皮下脂肪が厚い場合

観察・患者対応
2025.01.19
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ベテラン看護師でも苦労する場面の一つが、「皮下脂肪が厚い」方で血管が見えにくい場合の採血ですよね。
今回は「皮下脂肪が厚い」ことによって血管が見えにくくなるケースの採血のポイントを解説します。

1.血管の選定

皮下脂肪が厚い患者さんでも、採血の際に適切な血管を見つけることが最も重要です。特に肘窩部の橈側皮静脈がおすすめです。この血管は太くて柔らかく、弾力があり、比較的安全に穿刺できる場所です。ただし、肘窩部が難しい場合は、前腕や手背の静脈も選択肢に入れましょう。一方、尺側皮静脈や手首の橈骨皮静脈は、神経損傷のリスクがあるため、穿刺は避けることをおすすめします。

2.血管の確認

患者さんの肘を完全に伸ばして、血管がよく見えるようにしましょう。駆血帯を使用して血流を止め、手を何度か握ってもらうことで、血管をよりはっきりと浮き上がらせることができます。また、温めたタオルを用いる方法や、事前の十分な水分摂取も効果的です。 

3.針の刺入角度の調整

BMIが高い患者さんでは、皮下脂肪が厚いため、針を少し深めに刺す必要があります。しかし、刺し過ぎには注意が必要です。針の角度や深さを慎重に調整し、患者さんの不快感を最小限に抑えましょう。

上記のポイントを焦らず、一つ一つのステップを丁寧に行うことが大切です。無理な採血は、患者さんにとって大きな負担となりますし、神経損傷のリスクを高める可能性があります。

もし少しでも不安がある場合、経験豊富な同僚に助言を求めることも恥ずかしがらずに行いましょう。

また、患者さんには「血管が見つかりにくいかもしれない」と事前に伝え、理解と協力を得ることも重要です。業務での採血に挑む際はぜひ参考にしてみてください。

まとめ

・肘窩部の橈側皮静脈が採血に最適。

・駆血帯と手の握りで血管を浮き上がらせる。

・BMIが高い患者では針の角度と深さを調整。
・経験豊富な同僚に助言を求め、患者に協力を依頼。

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