アドバンス・ケア・プランニング(ACP)に関わる上で気をつけたいポイント

観察・患者対応
2025.04.30
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 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は、患者の価値観や意思を尊重し、その人らしい人生を最期まで送れるようサポートするために重要です。しかし、このプロセスはタイミングやコミュニケーションの取り方が難しいと感じている人も多いと思います。例えば、「まだ話し合う時期ではない」と考えることで話し合いが先延ばしになることや、医療者の説明が専門的すぎて患者が理解しづらいことがあります。この記事では、そうした課題を乗り越えるために、アドバンス・ケア・プランニングに関わる看護師が注意すべきポイントを具体的に解説します。

1.話をするタイミング

話をするのは病状が落ち着いているときに始めるのが理想的です。患者や家族によっては「まだ元気なのに?」と不信感を抱くこともあるため、患者や家族の状況をみてアプローチしましょう。

意思を確認するタイミングについて以下に示します。

・病状の変化があったとき

・治療の選択が必要となったとき

・生活の質の変化など環境が変わったとき

などです。上記のような変化があったときにはその都度話し合いの機会をもつと良いでしょう。

2.必要に応じて何度も話し合う機会をもつ

一度の話し合いで結論を急いではいけません。患者の気持ちは病状の進行や時間経過とともに変化します。繰り返し話し合いの機会をもつことで、本人の最新の意思を把握できます。決まった回数をこなすことが目的ではありません。大事なのは患者の状況や心の状態に合わせて適切なタイミングで話し合いの機会をもつことです。改めて話し合いの場を持ったときの情報のみならず、普段の何気ない会話からもアドバンス・ケア・プランニングの重要な情報は得られるため常にアンテナを張っておきましょう。

3.話し合うときに大切なこと

オープンクエスチョンを活用し、患者の価値観や希望を引き出すと良いでしょう。専門用語は避け、わかりやすい言葉で説明しましょう。声かけとして、「これからの生活で大切にしたいと思うことはありますか?」「体調が変化したときにどのように過ごしたいですか?」「今後の治療について気になることはありますか?」などの言葉がけが良いでしょう。押し付けにならないよう相手のペースで話を進めることが大切です。

【まとめ】

1.患者や家族の状況をみて話すタイミングを考えましょう

2.必要に応じて何度も話し合いの機会をもち、患者や家族が納得できるようにしましょう

3.看護師の価値観を押し付けず患者のペースで意思表示ができるよう配慮することが必要です

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