貼付薬の「貼る場所」で効果が変わる!皮膚トラブルを防ぐローテーションと手順の基本

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2026.02.27
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貼付薬は、皮膚から薬剤をゆっくり吸収させ、一定の効果を保つために使われる製剤です。フェントステープ、ジクトルテープ、ホクナリンテープなど種類はさまざまですが、貼付方法の基本は共通しています。一方で、「とりあえず貼る」「前回と同じ場所に貼る」といった何気ない対応が、効果不十分や皮膚トラブルにつながることも少なくありません。貼付部位や皮膚状態によって薬の効き方が変わるため、看護師が押さえておきたいポイントは意外と多いのです。本記事では、貼付薬を安全に使用するための基本と、現場で役立つ注意点を整理します。

皮膚トラブルを防ぐローテーションと貼付の基本

貼付に適した部位と避けたい部位

貼付薬は、皮膚から薬剤をゆっくり吸収させ、一定の効果を保つために使われる製剤です。フェントステープ、ジクトルテープ、ホクナリンテープなど種類はさまざまですが、貼付方法の基本は共通しています。貼付部位や皮膚の状態によって薬の効き方が変わるため、看護師が押さえておきたいポイントは多くあります。

貼付に適した部位は、皮膚がやわらかく血流が安定している上腕、胸部、腹部、背部です。動きや摩擦が少ないため、薬剤が均一に密着し、吸収が安定しやすい特徴があります。特に上腕や胸部は貼付しやすく観察もしやすいため、多くの薬剤で一般的に推奨される部位です。

避けたい部位と貼付前の皮膚確認

一方で、汗をかきやすい腋窩周囲や衣類との摩擦が多い腰部、肘・膝などの関節周囲は、剥がれやすく吸収が不安定になりやすいため避けます。皮膚炎や発赤、湿疹、傷がある部位への貼付も控える必要があります。貼付前には皮膚が乾いているかを丁寧に確認し、水分や軟膏、皮脂が残っていないかをチェックします。これらが残っていると、粘着力が低下するだけでなく、薬剤の吸収にも影響します。

油分が気になる場合は、アルコール綿で優しく拭き取り、十分に乾燥させてから貼付します。入浴直後の湿った皮膚は吸収が不安定になるため、できるだけ避ける方が安全です。貼付薬を剥がした後は、発赤、かゆみ、水疱などがないかを観察し、次回は同じ部位を避けてローテーションすることで皮膚への負担を軽減できます。

貼付時は手指衛生を行い、皮膚を乾いた状態に整えます。貼付直前に皮膚を温めたり、強くこすったりすると、血流が急激に増え、薬剤が想定以上に吸収される可能性があるため注意が必要です。貼付後は手のひらで軽く押さえて密着させます。

貼付時に避けたい行為

原則として、透明フィルムやドレッシング材などで全面を覆って密閉する方法は推奨されません。密閉により皮膚温が上昇し、薬剤が過剰に吸収される可能性があるためです。ただし、薬剤によっては剥がれ防止や皮膚保護を目的として透明フィルムの使用が許容されている場合もあります。そのため、貼付薬ごとの添付文書や施設の運用を確認することが大切です。剥がれが気になる場合は、原則としてサージカルテープで四隅を軽く補強する程度にとどめます。

なお、貼付薬は原則として再貼付は推奨されていません。途中で剥がれた場合は新しいものに交換するのが基本です。ただし、製品によっては条件付きで貼り直しが可能とされている場合もあります。

貼付薬は一見シンプルですが、貼る部位、皮膚の状態、手順の小さな工夫が効果と安全性を大きく左右します。貼付のたびに一度立ち止まって確認することが、患者さんの安全につながります。

まとめ

・貼付に適したのは、上腕・胸部・背部など血流が安定した部位

・密閉貼付は原則推奨されないが、薬剤によって例外がある

・皮膚観察とローテーションを意識し、迷ったら添付文書を確認する

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