術後せん妄は、発症すると患者さんの治療や安全を阻害する可能性があるため、看護師が対応に困る場面も少なくありません。しかし、術後せん妄は「起こってから対応するもの」ではありません。身体的・環境的・心理的ストレスが重なって発症するため、看護師が周手術期に細やかなケアを行うことで発症率を下げることが可能です。そこで今回は、現場ですぐ実践できる看護師にできる対策を4つご紹介します。
1. 環境を整えて、見当識を保てるようにする

環境を調整します。病室の明るさを調整し、朝はカーテンを開けて自然光を取り入れるなど、昼夜の区別をつけます。時計やカレンダーは患者さんが見やすいところに配置して、時間や場所の見当識が保てるよう工夫しましょう。めがねや補聴器などはなるべくいつも通り使用し、感覚遮断を防ぐことも大切です。可能であれば家族に面会してもらったり、家族の写真を飾ったり、好きな音楽を流したりして、安心できる環境を作りましょう。
2. 身体的ストレスを減らし、痛みや不快感に対応する
患者さんの痛みや不快感を最小限にすることも重要です。痛みはせん妄を誘発する主要因です。術後の痛みは不可避ですが、適切に痛み止めを使用し、コントロールしましょう。スケールなどを使用して痛みの有無を定期的に確認し、医師と連携して鎮痛につとめます。また、尿道カテーテルや点滴ラインなどは行動を制限するため、不快感が強いです。不要なら早めに抜くようにしましょう。
3. 早期離床と睡眠リズムの維持

術後は「安静第一」と考えがちですが、過度な安静はせん妄リスクを高める要因になります。可能な範囲で早期離床を促し、日中の活動量を確保しましょう。夜間の睡眠が安定しやすくなります。また環境に配慮し、自然な睡眠を保つためのサポートも重要です。どうしても夜間眠れない場合には、必要に応じて睡眠導入薬を提供します。
4. 多職種で情報共有し、随時アセスメントを行う

看護師だけでなく主治医・麻酔科医・薬剤師・家族などとの情報共有が重要です。術後せん妄となる原因やその経過は多岐にわたります。多職種とうまく連携をとりながら多角的にアセスメントしましょう。さまざまな視点での対策が必要です。
まとめ
・昼夜のリズムを付けたり、時計を置いたりして見当識を保てるよう環境を調整する
・患者さんの痛みや苦痛を最小限にする
・早期離床を促し、自然な眠りを保てるようにサポートする
・他職種での情報共有・アセスメント



