シリンジポンプを使用する患者さんでは昇圧剤や鎮静薬など、ハイリスクの薬剤を持続投与していることが多いです。そのため、シリンジ交換の方法によっては、患者さんの命に直結する場合も。投与を中断せずに交換する方法として、並列法(パラレル法)があります。日常的にしている点滴交換とはやり方がちがい、繊細さが必要な方法ですが、仕組みがわかれば安全に行えます。この記事では、並列法(パラレル法)のポイントをわかりやすく解説します。
1. 並列法(パラレル法)とは?

並列法(パラレル法)とは、薬を途切れさせないように、2台のシリンジポンプを同時に流しつつ、新しい方へ切り替える方法です。旧シリンジの流量を一定の速度下げ、同時に新シリンジの流量を同じだけ上げます。両方の流量を合わせると指示された流量と同じになるように増減し、徐々に新シリンジへと切り替えていきます。薬剤の中断なく、シリンジの交換ができるので、循環作動薬や鎮静薬の投与で推奨される方法です。
並列法の実施場面は、昇圧剤(ノルアド・ドパミンなど)、鎮静薬(プロポフォール、レミフェンタニル)、抗不整脈薬、インスリン持続投与時などです。投薬の中断によって、血圧低下や血糖変動など、大きなリスクを及ぼす薬剤は、並列法での交換が安全です。
なるのも懸念していました。同時に私は介助がうまくいかないことに焦りと苛立ちを感じていました。
2. 並列法(パラレル法)の手順

並列法の具体的な手順を解説します。
- 新しいシリンジの準備
新しいシリンジに更新のための薬剤を準備し、シリンジポンプにセットします。(新シリンジ)シリンジポンプに装着した状態で早送りを行い、ルートの先端まで薬液を満たしプライミングしましょう。さらに、患者さんに繋いでいない状態で1.0~2.0ml/hで作動を開始し30分ほど空運転します。シリンジポンプは電源を入れて注入を開始した直後、設定した流量に達するまでにわずかな遅延が生じます。よって空運転は、接続時に安定して薬剤を投与される準備として重要です。
新シリンジを患者側ルートに接続する
三方活栓を利用し、投与中のルートの途中に新シリンジを接続します。この時、投与中の旧シリンジポンプは継続し、更新用の新シリンジポンプは停止した状態です。
- 新シリンジポンプを設定・開始する
投与量、投与速度をダブルチェックします。流量が問題ないことを確認し、新シリンジポンプを開始し、旧シリンジポンプは新シリンジポンプで開始した流量と同じ量だけ減量します。この時の新シリンジポンプの流量は、1〜2ml/Hで開始するのが一般的です。医師指示や病棟のルールを確認しておきましょう。患者さんの状態をよく観察し、状態に変わりなければ一定時間ごとに、徐々に新シリンジポンプの流量を上げ、同じだけ旧シリンジポンプの流量を下げます。指示の流量まで上げたら、旧シリンジポンプは終了します。
例えば、エフェドリン10ml/h投与中の場合は次のように、旧シリンジポンプと新シリンジポンプの流量を調整します。
- 旧シリンジポンプ:8.0ml/h→6.0ml/h→4.0ml/h→2.0ml/h→中止
- 新シリンジポンプ:2.0ml/h→4.0ml/h→6.0ml/h→8.0ml/h→10ml/h
このように徐々に流量を上げていき、薬剤を途絶えることなくシリンジ交換を行います。流量の変更やタイミング、患者さんの観察に関しては、医師の指示や院内のルールに従いましょう。
3.並列法(パラレル法)の注意点

薬剤の投与速度を変更時は、2台のシリンジポンプを必ずダブルチェックしましょう。並列法は流量間違いのリスクもあるため、並列時間は必要最小限にできるようにします。ややこしく感じるかもしれませんが、仕組みを理解し、しっかり準備して確認しながら行えば安全にできます。
まとめ
並列法(パラレル法)は、薬を途切れさせないための安全なシリンジ交換の方法です。
・循環作動薬や鎮静薬など、中断すると影響が大きい薬剤の交換で並列法を活用する
・流量や薬剤の変更は、必ずダブルチェックする
・並列で投与する時間は最小限にし、しっかりと準備をして行う



