包帯って、巻くのって意外とむずかしいですよね。特に足の傷や褥瘡に巻くときは、うまく固定できなかったり、ずれてしまったり…。整形外科だけでなく、一般病棟や在宅ケアでもよく出番がある足の包帯。今回はその中でも、関節部の固定に便利な「8の字帯(麦穂帯)」について、失敗しがちなポイントと、安定して巻くコツをご紹介します。

まず基本として、巻き始めに包帯の端を三角に折り返すテクニックがあります。これは、包帯のズレを防ぐ重要なポイントです。
巻き始めの三角折り返しの手順:
1. 斜めに巻き始める
包帯の端を軽く押さえ、やや斜め方向の位置から巻き始めます。
2. 折り返す
飛び出した部分を内側に折り込むようにして三角形を作ります。
3. 固定する
その上からさらに包帯を重ねて巻くことで、ズレを防止できます。
包帯は毎回同じ力加減で巻くことが大切です。巻き終わりはテープや包帯止めでしっかりと固定しましょう。特に足に巻く場合は、足先の色や冷たさ、しびれがないかをチェックし、血流が妨げられていないかも確認が必要です。
続いて、「8の字帯」でやりがちな3つの失敗ポイントを見ていきましょう。

失敗しがちな3つのポイント
1. 巻き始めの位置がずれている
最初のひと巻きが安定していないと、その後の包帯がどんどんズレてしまいます。特にくるぶし付近では、足首から巻き始めると全体が安定しやすくなります。
2. テンション(引っ張り具合)が強すぎるめる
固定しようとするあまり、つい力を入れて巻きがちですが、強すぎると皮膚に赤みが出たり、血流障害の原因になります。ピタッと密着する程度で、ふんわり巻くのがポイントです。
3. “8の字”が足になっていない

8の字帯のコツは、関節を挟むように交差をつくること。足首を巻くときは、くるぶしの上下で包帯がクロスするように巻くと、見た目も固定力も安定します。1周ごとに“∞(無限大)”の形を意識すると良いでしょう。
【まとめ】
・巻き始めは三角に折り返し、足の甲側からスタートするとズレにくい
・テンションは均一に、ふんわり密着する程度に巻く
・くるぶしの上下で“8の字”をつくり、∞の形を意識する
・巻き終わりはテープで固定し、足指の色や温度もチェック