CVカテーテル(中心静脈カテーテル)には複数のルーメンが存在していることがあります。どこから何を投与したらいいのか迷ったことはありませんか?繋ぎ方を間違えると薬剤の配合変化が起こるリスクも。では先輩はどのようにルーメンを使い分けているのでしょうか?各ルーメンには太さや役割の違いがあります。安全に使い分けができるよう、各ルーメンの特徴を解説するので参考にしてみてください!
1、中心静脈(CV)カテーテルとは:

内頸静脈や鎖骨下静脈、大腿静脈から挿入され、先端が中心静脈に留置されるカテーテル。
2、挿入の目的:
末梢静脈の確保が難しい、高カロリー輸液や循環作動薬などが必要、CVP(中心静脈圧)測定を行う時などに使用されます。
3、種類:

シングル(1本)、ダブル(2本)、トリプル(3本)、クワッド(4本)
ルーメン(カテーテル内腔)の数で名称が変わります。臨床ではダブルかトリプルが使われることが多いです。
4、構造:
中心静脈カテーテルの内腔はそれぞれ独立しており、異なる薬剤が混ざることはありません。もし同じルートから違う薬剤を投与すると、配合変化が起こり、薬効が低下してしまう可能性も。各ルーメンが独立していることで、薬剤を同時に投与でき、流速を安定させられるのです。
例えばトリプルルーメンでは3つの内腔があり、それぞれ太さや出口の位置が異なります。

ディスタール(先端):出口はカテーテルの先端。一番太く、急速輸液や高カロリー輸液などに使用され「メインルート」として扱われることが多いです。心臓に近いためCVP測定も可能。
プロキシマール(手前):出口は心臓から一番遠く、流速が安定します。慎重な管理が必要な循環作動薬、鎮静薬などの投与に適しています。
メディアル(中央):出口はディスタールとプロキシマールの間。輸血や循環作動薬などに柔軟に使われるルートです。
ルーメンの位置や用途はほぼ共通していますが、呼び方や太さ、色分けなどはメーカーや製品によって異なるので仕様確認が必要です。また、ルーメンの使い分けには施設ごとにルールが決められていることがあるので、先輩看護師や医師、薬剤師に確認してみましょう。
各ルーメンの特徴を把握し、安全に使い分けができるといいですね。
今回は中心静脈カテーテルのルーメンの違いについてお伝えしました。
【まとめ】
・中心静脈カテーテルは内腔が独立していて薬剤が混ざらない
・各ルーメンは太さや出口が異なっていて、投与するのに適した薬剤がある
・安全に使い分けるため使用前には仕様の確認を