あなたのケアで皮膚が裂けるかも⁉︎ 知っておくべき“スキンテア”の基本と予防法

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2025.09.11
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高齢の患者さんのテープを剥がすとき、皮膚も一緒に剥がれそうになり「ヒヤッ」としたことはありませんか?
摩擦やズレなどのわずかな外力で皮膚が裂けてしまうことを「スキンテア」といいます。高齢者や皮膚の弱い方は、日常の何気ない動作でもスキンテアが発生します。スキンテアは一度できると治癒までに時間がかかるため、何より予防が大切です。今回はそんなスキンテアの予防と発生時の対応についてお伝えします。

1. スキンテアを起こす要因

スキンテアが起こりやすいのは、皮膚が乾燥していたり、薄くなっていたりする状態です。高齢者の皮膚は加齢によって皮脂や水分が減少し、弾力性も低下しており、非常に傷つきやすくなっています。高齢者だけでなく、以下のような状態がスキンテアのリスクを高めます。

・皮膚の極度な乾燥やむくみ(浮腫)
・長期のステロイド薬や抗がん剤の使用歴
・透析中の患者さんや低栄養・脱水状態がある
・認知機能の低下による不意な動きや転倒
・抗がん剤・放射線治療歴がある

また、環境要因として、硬い家具の角やベッド柵への衝突、体位変換時の摩擦、着替えや入浴介助などがあります。

2. スキンテアを防ぐために

・スキンテア予防の基本は「皮膚を守る」「摩擦とズレを避ける」「日々の観察」です。

・優しいスキンケア:洗浄時は泡で優しく手洗いし、熱すぎるお湯は避けましょう。洗浄後は水分を押さえるようにふき取り、保湿剤を1日2回以上塗布することで皮膚を保護します。

・物理的保護:長ズボンや長袖、アームカバーやレッグカバーなどで手足を覆い、直接的な接触から皮膚を守ります。家具の角やベッド柵には緩衝材をつけるなど、環境整備も重要です。

・安全な介助:移動や体位変換の際は引っ張らず、下からそっと支えるようにします。

・医療用テープ:粘着力の弱いタイプを選び、剥がす際は皮膚を押さえながらゆっくりと剥がします。粘着が強い場合は無理をせず剥離剤を使用しましょう。可能であればテープを使わず、包帯などで固定する方法を検討しましょう。

・日々の観察:1日1回は必ず手足の皮膚状態を確認しましょう。転倒や打撲のあとには特に注意が必要です。

【まとめ】

・スキンテアが起きやすい人・場面(環境)を理解しましょう
・予防するためには「皮膚を守る・摩擦を減らす・観察する」ことが大切です

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