必要水分量をきちんと計算できますか?

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2025.09.11
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「先生の指示通り、経管栄養時に水分投与しているけどなんとなく少ない気がする……」そう思っても、根拠のある説明が医師にできずそのまま……なんてことありませんか?今回は必要水分量をどの様に考えるか解説していきます。

1、必要水分量の計算式

計算式は一度覚えてしまえば簡単です。

必要水分量(ml/日)=体重(kg)×年齢別必要量(ml)

年齢別水分量は下記の通りです。

・22〜54歳:35ml/kg

・55〜64歳:30ml/kg

・65歳以上:25ml/kg

2、実際に考えてみましょう!

例)Aさん:83歳、体重約60kgの男性患者さんの場合

前述より、必要水分量は25ml/kg。

すなわち

25ml×60kg=1500ml/日

と、計算でき、Aさんの必要水分量が1500ml/日であることがわかります。

3、経管栄養管理の場合どう考える?

経管栄養剤にはそれぞれ水分が含まれています。パッケージの成分表に記載された含有水分量を確認しましょう。

例)必要水分量1500ml/日の83歳、70kgの患者さんの場合

含有水分量が400mlのパック式栄養剤を3回/日投与している場合は、下記のようになります。

400ml(経管栄養の含有水分量)×3回(1日にその栄養剤を投与する回数)=1200ml/日

すなわち、本来1500ml/日を必要としているのに、1200ml/日しか投与されていないことがわかります。この場合、保水の時間として300ml投与する時間を作るか、3回の経管栄養投与時に先に100mlづつ水のみで投与してから、指示の経管栄養剤を注入する、という選択肢が考えられます。

4、まとめ

・必要水分量=体重(kg)×年齢別必要水分量
・年齢別必要水分量は25〜35ml/kg
・すでに摂取している水分量を必要水分量から差し引いて、追加での摂取を促しましょう。
・経管栄養患者さんの場合、不足した水分をどの様に投与するかは、チーム全体で統一した認識にしましょう。

【まとめ】

・必要水分量=体重×年齢別目安(25〜35ml/kg)

・経管栄養の水分量を確認し、不足分は水で補う

・投与方針はチームで統一を

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