「便がかたい」ってホント?——感覚だけに頼らない評価「ブリストルスケール」

呼吸器内科
2025.08.6
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 「便が硬くてつらい」と話す患者さん。でも実際に観察すると、それほど硬くないことも。

「毎日出てるから大丈夫」と言われても、実はコロコロ便で便秘傾向だった……なんてケース、現場でよくありますよね。子どもでも何も言わず、実は硬便だったということも。主観だけでなく客観的に便の状態を、評価する視点が大切です。今回は、便の状態をわかりやすく評価するのに役立つ「ブリストルスケール」についてご紹介します。

「便が硬くてつらい」と話す患者さん。でも実際に観察してみると、硬いようには見えない……そんな場面に出会ったことはありませんか?
あるいは「毎日出てるから便秘じゃないですよ」と言われたけれど、実際はコロコロした便で便秘傾向だった 、というケースもあるかもしれません。

また、お子さんがいる方なら、本人は何も言わないけれど、便がまるでウサギの糞のように硬かった、という経験がある方もいるのではないでしょうか。
医療・介護の現場はもちろん、家庭でも“主観と客観のズレ”にしばしば出会うことがあります。

 そんな時に心強いのが「ブリストルスケール」です。
便の形状を7つのタイプに分類し「かたい便(タイプ1〜2)」から「理想的な便(タイプ3〜4)」「ゆるい便(タイプ5〜7)」まで、視覚的に評価できるツールです。

たとえば、
●タイプ1:コロコロと硬く、ウサギの糞のような便(便秘傾向)
●タイプ4:バナナ状で表面が滑らか(理想的な便)
●タイプ7:水様で形がない(下痢傾向)

この分類を使うことで「かたい」と感じている患者さんの便が、実際はタイプ3〜4で問題ないこともあります。逆に見逃されがちな軽度の下痢傾向(タイプ5)などにも早期に気づくことができます。

 下剤や止痢薬の使用判断、食事や水分摂取の見直し、排便コントロールの指導にも活かしやすく、記録や多職種間の情報共有にも有効です。
「出た」「出ていない」だけでなく、「どんな便か」を把握することで、ケアの質はぐっと高まります。

排便は生活の質に直結する大事なサイン。ブリストルスケール、ぜひ現場で活用してみてください。

【まとめ】

・主観だけでなく、客観的に便の状態を評価することが大切

・ブリストルスケールで便の性状を7段階に分類・共有できる

・薬剤調整やケアの質向上に役立ち、現場や家庭でも活用できる

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