「固定したはずなのに、チューブがずれてた…」
「ドレーンが引っ張られて、患者さんが痛がってた…」
そんな経験、ありませんか?
点滴やドレーンの固定には、“はがれにくさ”と“皮膚へのやさしさ”の両立が求められます。
そこで注目したいのが、「オメガどめ」。
Ω(オメガ)の形を使った固定テクニックで、固定力UPと皮膚トラブル予防に効果的です。
今回は、オメガどめの貼り方・工夫・注意点まで、明日から使える実践知識をご紹介します!
オメガどめとは

オメガどめは、テープ固定の方法の一つです。
テープを固定している様子を横から見ると「Ω(オメガ)」の形に見えることから「オメガどめ」や「オメガ固定」と呼ばれることが多いようです。
チューブ類を固定する際、テープと皮膚の間の隙間が大きいと、テープがはがれやすくなってしまいます。
また、チューブが直接皮膚に接触することで、皮膚トラブルを起こすリスクが高まります。
一方で、オメガどめの場合は「あし」の部分を作ることであそびができ、テープがはがれにくくなるのが特徴です。
チューブ類が皮膚に直接当たらないため、圧迫による疼痛や皮膚トラブルを防ぐこともできます。
オメガどめは、ドレーンや点滴ルート、経管栄養チューブなどの固定に活用できます。
オメガどめの一例
固定するチューブの太さや位置に合わせてテープをカットし、真ん中にY字の切れ目を入れます。
角を丸くカットすると、テープがさらにはがれにくくなります。

テープの切れ目をチューブに合わせ、左右のテープ同士を重なりあわせて「あし」をつくりながら、皮膚へ貼り付けます。

最後に全体を指で優しく押しながら、皮膚に密着させましょう。
オメガどめの注意点
通常の固定に比べて、固定力が高いと言われるオメガどめですが、強く引っ張られれば、もちろん事故抜去のリスクがあります。
通常のテープ固定と同様に、固定する位置やテープの張り具合については、慎重に判断しましょう。
また、使用するテープの材質や貼付部位によっては、皮膚トラブルを起こすおそれがあるため注意が必要です。
・肌に優しい素材のテープを選ぶ
・貼付部の皮膚を清潔に保つ
・皮膚を押さえながらゆっくりテープをはがす
以上のような、基本的なケアもあわせて行いましょう。
【まとめ】
・オメガどめは、あそびになる「あし」部分を作ることで、テープが剥がれにくくなる
・チューブが皮膚に直接当たらないため、疼痛や皮膚トラブルの発生を防ぐことができる
・事故抜去防止のため、貼付位置の選定やテープの張り具合のかけ方に注意
・皮膚トラブル防止のため、テープの素材やはがし方に注意