ネーザルハイフロー使用時の環境整備、気配りできていますか?

呼吸器内科
2025.07.21
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ネーザルハイフローは、呼吸不全の患者さんに高濃度の加湿・加温酸素を届ける画期的な治療法です。ただし、快適かつ安全に使用するためには、こまめな確認とちょっとした工夫が欠かせません。今回は、現場でよくある悩みを解決するポイントをまとめました!

1,発汗対策:頭部クーリングを忘れずに

ネーザルハイフロー(NHF)は、35℃前後に加温・加湿された高濃度酸素を送り込む治療法。
体温に近いため、ベッド上安静でも発汗しやすくなります。特に頭部に熱がこもりやすいため、頭部クーリングを併用すると快適に過ごせます。

2, 接続・皮膚トラブル対策

体動制限がなければ自力での体動や歩行も可能ですが、鼻カニュラや蛇腹の重みで接続が外れたり、耳周囲がこすれて傷つくことも。

・ヘッドストラップや蛇腹のクリップを確実に固定
・蛇腹を衣服にテープで留めておく

こうした工夫で、皮膚の保護と動きやすさの両立が図れます。

3, 更衣は「前開きの服」で負担軽減

加温・加湿により発汗が増え、更衣の頻度も自然と増加します。
呼吸器疾患のある方は、腕を肩より上げる動作で呼吸がしづらくなるため、下着も含めて前開きの衣類がベストです。

もしかぶりの服しかない場合は、
①下着を頭から通す
→ ②蛇腹とカニュラを一時的に外す
→ ③素早く着替える
この流れで、取り外し時間を最小限にしましょう。

どれも難しいことではありませんが、ちょっとした気配りがあるだけで、患者さんがぐっと過ごしやすくなります。最初は慣れないこともあると思いますが、少しずつ覚えていけば大丈夫。毎日のケアの中で「この人にとって快適かな?」と想像する気持ちを大切にしていきましょう!

【まとめ】

  • ・頭部クーリングで発汗対策
  • ・チューブ固定で皮膚保護
  • ・前開きの服で更衣をスムーズに

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