患者のリハビリや日常生活をサポートする杖。高齢者やケガから回復中の患者にとって重要です。転倒防止のために患者さんに合った杖を選びたいけど、種類が多くてよくわからない……。そんなあなたに、今回は一本杖の種類と選ぶときのポイントをお伝えします。患者さんの安全を守るために正しい知識を身につけましょう。
1. 一本杖の種類と特徴
一本杖は大きく分けて4種類あります。

1. T字杖(一般的な杖)
- 持ち手がT字型になっており、バランスをとりやすい。
- 軽量で持ち運びしやすく、初心者にも適している。
2. 折りたたみ杖
- 使わないときはコンパクトに収納でき、持ち運びに便利。
- 旅行や外出先での使用に適している。
3. 伸縮式杖
- 身長や使用環境に合わせて長さを調整できる。
- 体格の異なる人が共用する場合や、成長期の子どもにも対応可能。
4. 多点杖(一本杖の先端が複数に分かれているタイプ)
- 杖の先端が3点または4点で支えられるため、安定性が高い。
- 片手でしっかり支えたい場合や、足腰の筋力が低下している人に向いている。
2. 一本杖選びのポイント
最適な杖を選ぶためには、以下のポイントを押さえましょう。
・患者の歩行能力:
自立歩行が可能な場合は1本杖、歩行が不安定な場合は4点杖が適しています。
・患者の身長:
杖の長さは、患者の身長に合わせて調節が必要です。立った状態で腕を自然に垂らした時に杖の持ち手が手首の高さにくるのが理想です。肩や腕に不自然な負担がかからず、自然な姿勢で歩行しやすいか確認しましょう。
・杖の材質の選択:
杖は、木製、アルミ製、カーボンなど、さまざまな材質です。アルミ製の杖は軽くて、長さ調整可能なものや折り畳みができる杖が多いため初心者でも使いやすいです。木製やカーボン製は耐久性に優れ、より重たい負荷に対応できるため体格が大きい患者に適します。
・グリップの形状:
グリップは手へのフィット感を大きく左右します。手になじむ形状のアナトミックグリップが一般的ですが、より安定感を求める場合は、広めのグリップが良いでしょう。
・先端の滑り止め:
杖の先端に付いている滑り止めのゴムキャップは、摩耗が進むと滑りやすくなるため、定期的な点検と交換が必要です。必要に応じてスパイク付きのものも必要に応じて考慮しましょう。
【まとめ】
杖選びは患者の安全を守る上でとても重要です。以下のポイントで患者に最適な杖を選択しましょう。
- 1. 患者の歩行能力
- 2. 患者の身長と腕の長さ
- 3. 杖の材質・長さ
- 4. グリップの形状
- 5. 先端お滑り止め