その横シーツ必要ですか?横シーツのメリット・デメリット

業務
2025.05.26
0件のコメント

「〇〇さん水様便が、おむつから漏れてます!」
大量の排尿や水様便がおむつから漏れて、横シーツを汚染する……なんて場面に遭遇したことがある人も多いのではないでしょうか?横シーツを敷いていたおかげで、敷きシーツやマットレスパッドまで交換せずにすみ、助かる優れもの。では、すべての患者さんに横シーツを敷いておけば良いのでしょうか?横シーツのメリット・デメリットを考えてみましょう。

1、横シーツのメリット

横シーツは防水加工されていて、血液や排泄物などで汚染が予測される場合に使用されます。汚染され寝具交換が必要な場合、横シーツを敷いておくと防水効果により交換物が最小限になります。この場合ベッド上で生活する患者さんにとって、体位変換の実施回数も少なくなるため体への負担が軽減されます。また介助者にとっても、横シーツ内のみで汚染がとどまれば、交換物が少なく作業が楽になります。

2、横シーツのデメリット

一見、メリットしか見当たらない横シーツ。すべての患者さんに使用したら良いのでしょうか?
答えは「No」です。横シーツのデメリットを考えてみましょう。

①伸縮性が無い

多くの横シーツは伸縮性がありません。そのためマットレスの身体を沈める機能が活かせず、体の接触面が減ります。接触面の低下は接触部の圧力を上昇させてしまいます。この状態を「ハンモック現象」といい、褥瘡発生のリスクを高めます。

②摩擦抵抗がある

体とマットレスとの間に入る寝具類の枚数が増えると、体にかかるズレや摩擦が助長されます。ズレや摩擦も褥瘡発生のリスクを高める大敵です。

③蒸れやすい

防水効果がある分、通気性が悪く患者さんが不快感を感じることも少なくありません。蒸れもまた、褥瘡発生のリスクを高める要因となります。

④コストが高い

医療・福祉のリネン業者さんからレンタルやリースで横シーツを導入している場合、他のシーツ類に比べコストが高いのが一般的です。

3、必要性を常に考えよう

横シーツにもメリットとデメリットがあります。尿道留置カテーテルが入っていて、排便コントロールも良好の患者さんに横シーツが敷いてあったり、嘔吐歴のある患者さんの頭の下に横シーツがいつまでも敷いてあったり……こんな場面で「不要では?」と思う横シーツがたくさんありました。不要な横シーツの使用により、褥瘡発生のリスクが高くなります。横シーツを使用する際には「この横シーツ本当に必要?」と考える習慣を持てるといいですね。

【まとめ】

・メリット:排泄物などによる寝具の汚染を最小限にしてくれる。

・デメリット:伸縮性のなさ、摩擦やズレ、蒸れにより褥瘡のリスクを高める。また患者さんにとって不快感になることもある。さらにコストが高い。

・横シーツを使用の際は「この横シーツは本当に必要?」と考える習慣をつける。

Share
  • Facebook
ページトップ