ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」がありますが、生ワクチンは小児期の予防接種だけでなく、成人や高齢者の健康管理にも関わる重要なワクチンの一つです。たとえば、水痘ワクチンは子どもの水ぼうそう予防だけでなく、帯状疱疹の予防にも使用されます。また、風疹ワクチンは妊娠を希望する女性や、抗体を持っていない成人にも推奨されています。
そこで今回は、生ワクチンの特徴や接種間隔について詳しく解説します。
生ワクチンとは?

生ワクチンは、病原体の毒性を弱めて(弱毒化)、体内で増殖することで免疫をつけるワクチンです。自然感染に近い免疫応答を引き起こすため、一度の接種で長期間の免疫が持続するのが特徴です。そのため、多くの生ワクチンは追加接種の必要が少なく、長期的な感染予防が期待できます。
代表的な生ワクチン
・小児向け:麻疹・風疹(MR)、おたふくかぜ、水痘、BCG、ロタウイルスワクチン
・成人向け:水痘ワクチン(帯状疱疹予防)、風疹ワクチン(妊娠を希望する女性や抗体がない人)
生ワクチンが必要になるのは子どもだけではない
生ワクチンの接種が必要になるのは、子どものときに接種を受けていなかった場合だけではありません。医療従事者や海外渡航者の中には、感染症のリスクが高まるために追加接種が推奨される人もいます。また、加齢とともに免疫が低下するため、高齢者が帯状疱疹を予防する目的で生ワクチンを受けるケースも増えています。
このように、生ワクチンは小児期の予防接種だけでなく、成人や高齢者の健康管理にも大きく関わるワクチンなのです。
生ワクチンの接種間隔は要注意

生ワクチンは体内で増殖して免疫をつけるため、異なる生ワクチンを短期間に接種すると免疫が十分に働かず、効果が下がる可能性があります。
生ワクチン同士の接種間隔
異なる生ワクチンを接種する場合は、最低4週間(27日以上)の間隔を空ける必要があります。例えば、MRワクチンを接種した後に水痘ワクチンを接種する場合、4週間以上の間隔を守らなければなりません。
生ワクチンと不活化ワクチンの接種間隔
生ワクチンと不活化ワクチン(インフルエンザワクチンなど)の間には接種間隔の制限はなく、同時接種も可能です。
接種スケジュール管理が大切
例えば、帯状疱疹ワクチンを希望する高齢者が、直前にMRワクチンを接種していて間隔が足りないというケースもあります。
特に、成人になってから接種が必要になるワクチンは接種歴を確認しながら計画的に行いましょう。
【まとめ】
- ・生ワクチンは病原体を弱めたもので、長期間の免疫が得られる。
- ・生ワクチン同士の接種は4週間以上の間隔が必要。
- ・生ワクチンと不活化ワクチンは間隔を空けずに接種可能。