熱性けいれんは、生後6か月〜5歳までの乳幼児期に好発する38度以上の発熱に伴って生じるけいれん発作です。日本では10人に1人が経験すると言われています。1回の経験のみの場合もありますが、約30%が2回以上経験します。
熱性けいれんは珍しい疾患ではありません。けいれんに遭遇した際の初期対応のポイントをお伝えします。
熱性けいれんは、熱の上がり始めに生じることが多いです。たいていはは5分以内で治まります。
症状として突然意識を失い、白目を向いて全身を反り返ったり、手足がガクガクと震えることもあります。呼吸が弱まり、顔色が悪くなることもあります。冷静にパニックにならずに対処することが重要です。
1.人を集める
患者の側から決して離れず、その場で緊急コールを押すか、大声で助けを呼びましょう。
2.安全確保と体位保持
怪我をしないよう、周囲環境を整え安全を確保します。嘔吐で窒息する危険があるため、側臥位にしましょう。
噛んで口腔内で出血することがありますが、大量に出血することはありません。口に物を咬ませることは、窒息の危険があるため避けてください。
3.気道確保
嘔吐があれば吐物を吸引して、気道を確保します。呼吸状態に応じて酸素投与を行います。
4.観察
けいれん発作が生じる疾患は、熱性けいれんの他に複数あります。けいれん発作時の症状は疾患の鑑別において重要です。 主な観察ポイントは、発作の持続時間、けいれんの左右差、目の向き、全身の様子(全身に力を入れている、ピクっと震える、カクカク震えるなど)です。録画が可能であれば、録画を行いましょう。同時にバイタルサインの観察も行います。
4つのポイントの他に、両親の不安を取り除く声掛けも重要です。
・珍しい疾患ではないこと
・死亡や脳障害のリスクは極めて低く、予後良好な疾患であること
・再度発作が出る可能性があるため対処法について
上記を説明できると良いですね。
【まとめ】
・人を集める
・安全確保と体位保持をする
・気道確保して、必要時に吸引と酸素投与
・けいれんの観察