弾性包帯や弾性ストッキングは整形領域や手術後に不可欠なアイテムです。弾性包帯は、弾性ストッキングと比べてサイズが合わない場合や、自力での着用が難しい場合、また整形領域の手術後に絶対安静が必要な人に適しています。その他にも、患部の保護やシーネの固定など、幅広い用途があります。また、適度な圧迫によって患部の腫れを抑えるためにも使用されます。適切なサイズを選択することが重要ですので、私が働いている整形外科でのサイズ選択のポイントです。
弾性包帯は弾性ストッキングの代替だけではなく、創部の保護や患部の固定にも用いられます。適度な圧迫を得られるので、術後や受傷後の患部の腫れの増長を抑えることができます。
1.使用頻度が高い4号(幅10㎝)
4号の弾性包帯は、主に下腿部で使用されます。末梢から中枢に向けて適切な圧力を加えることで、静脈還流を促進します。下腿部のサイズに制限はなく、柔軟に適応できますが、適切な圧力を保つためには一定の技術が必要です。十分な圧力がないと効果が得られず、逆に過度の圧迫は腓骨神経に影響を与える可能性があります。包帯を巻く際には、足を背屈させて麦穂帯を使用し、下腿部を巻く際には膝を軽く屈曲させたままらせん帯で固定します。また、膝関節や下腿部の手術時にも患部の保護に使用されます。
2.人工骨頭股関節置換術後は7号(幅17.5㎝)
幅が広い7号の弾性包帯は、股関節から大腿部にかけて幅広い範囲の創部に使用されます。その幅広い特性から、可動域が制限されるため、足関節やひざ関節などの関節部には適しません。
3.幅の狭い弾性包帯
幅が狭い弾性包帯には、例えば2号や3号があります。2号は幅が5㎝と最も狭く、指の骨折時の副子固定に使用、3号は幅が7㎝で、橈骨骨折のシーネ固定に適しています。 これらの幅が狭い弾性包帯は、毎日巻き直しが可能であり、患部の状態に合わせて調節できます。また、包帯の隙間からかゆみのある箇所に薬を塗ることもできます。
【まとめ】
・弾性ストッキングと違って、サイズの制限はないが、施術者によっては適切な圧迫を得られることができないことがある。
・4号は下腿、7号は股関節~大腿部、2号は指、3号は橈骨骨折に用いられることがある。