「痛み」とひと口に言っても原因は人それぞれ。癌性疼痛や精神的な痛みなどさまざまです。 個人によって痛みの感じ方や部位も異なり、痛みの訴えに対する対応は1つとは限りません。ここでは薬剤使用以外で、私たち看護師ができる痛みの対応についてご紹介します。
1. 温罨法
痛みを訴える場合、状況に応じて痛みのある部位を温めることが効果的です。温罨法を用いて直接痛みの部位を温める方法もありますし、足浴を行うことで全身が温まる効果もあります。体を温めることで筋肉の緊張が和らぎ、痛みを軽減する効果が期待できます。
2. マッサージ
癌末期の患者さんでは、特定の部位ではなく全身が痛むことがあります。浮腫により体が腫れて動きづらくなり、寝たきりで同じ姿勢でいることによっても痛みを感じることがあります。このような場合、鎮痛剤を使用しても痛みがすぐには軽減しないこともあります。 そのような状況では、マッサージが有効です。特に浮腫で体が腫れている場合、マッサージによって一時的に浮腫が軽減されることで、患者さんから「体が軽くなり楽になった」という声も寄せられます。また、マッサージによって体のこわばりが解け、筋肉や関節周囲を含む痛みが軽減されることもあります。
3. 傾聴
「痛みがあって病院に行ったけれども、どこも悪くない」と言われた患者さんがいました。痛みの原因は明確ではないものの、高齢で外出が難しく、孤立気味でコミュニケーション不足などが関連していると考えられます。このような場合、まず患者さんの話に耳を傾けることが重要です。その結果、「話を聞いてもらえて気持ちが楽になった。痛みも少し和らいだ」という反応を得ることができるでしょう。
【まとめ】
1. 痛む箇所を温罨法や足浴など温めることは疼痛緩和に効果的
2.マッサージは筋緊張やむくみが軽減し体の痛みが緩和される
3.傾聴することでも痛みを緩和できる