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2024.06.27
認知症患者さんの暴言への対応

認知症には脳の細胞が壊れることによって起こる記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などの中核症状と呼ばれるものがあります。中核症状があるため、周囲で起こっている現実を正しく認識することができず、時として、暴言や暴力をふるう患者さんの対応することもあると思います。暴言や暴力には病気によるものだと分かっていても戸惑ってしまうこともありますよね。適切な対応をすることで興奮した患者さんを落ち着かせましょう。

1.認知症患者さんの感情が安定しない理由

脳機能の低下により、思ったことをうまく伝えられない、自制心が働かないことで急に怒りっぽくなります。怒っている理由に見当がつかなくても、本人には必ず理由があります。

また、認知症の症状に最初に気づくのは本人です。物忘れによる失敗や、今まで難なく出来ていたのにうまいくいかなくなることが徐々に多くなり、なんとなくおかしいと感じ始めます。

2.暴言を言ってしまいやすいタイミング

理解力・判断力の低下によって、会話や人間関係、おかれている環境を把握しにくいことで、不安や混乱に陥りやすくなってしまいます。
また、脳への障害から、理論的な判断が難しく情報を処理するのに時間がかかってしまいます。理論的な判断は難しいものの感受性は高く、自尊心や羞恥心などの精神的な部分はしっかり残っています、そのため、全く関係のないことでもプライドが傷つけられたと感じてしまい、暴言を発することがあります。

3.暴言への対応

暴言の場合、ひとまず目の前から立ち去り、時間がたって落ち着くのを待ちましょう。その後、共感の姿勢をとることが大事です。否定をしてしまうと、自尊心がキスつけられたように感じてしまい、さらに興奮してしまうことがあります。

言い返さないことを心がけましょう。言い返すことでより暴言が強くなったり、暴れたりしてしまいます。

生活環境をなるべく変えないことも大切です。環境の変化はストレスを高め、ためやすくします。ストレスがたまることで、イライラし、暴言や暴れるといった問題行動も起こりやすくなります。

また、記憶障害や理解・判断力障害があるため、会話が成立しにくいことがあります。会話の行き違いや誤認などが生まれやすく、それがきっかけとなって暴言を発してしまうことも少なくありません。できる限り優しい口調で、わかりやすさを意識しましょう。

【まとめ】

– 脳機能の低下により怒りっぽくなる。

– 理解力・判断力の低下で不安や混乱が生じ、暴言を発することがある。

– 暴言時は距離を置き、共感の姿勢をとる。

– ストレスを避けるため環境を変えない。 – 優しい口調でわかりやすく説明する。

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