スキンテアが起きたら?! スキンテア発生時の正しい処置とケア手順

観察・患者対応
2025.10.14
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『あなたのケアで皮膚が裂けるかも⁉︎ 知っておくべき“スキンテア”の基本と予防法』では、スキンテアの原因と予防についてお伝えしました。

スキンテアは予防が何より大切ですが、現場では完全に防げないこともあります。発生直後の正しい対応が、その後の回復や再発防止に重要です。

今回は、スキンテアが発生した際の初期対応と、その後のケア方法についてお伝えします。

1.スキンテアを起こした皮膚の状態

スキンテアが起こった皮膚は、主に次のような状態になります。

・皮膚が裂けて(剥がれている)出血がある

多くの場合、皮膚がめくれ「皮弁(ひべん)」が見られます。皮弁が全く残らず、皮膚が完全に失われている状態(組織欠損)の場合もあります。

・真皮深層まで損傷していると強い痛みを伴う

    一般的に皮下組織に隣接した層(真皮深層)に達する剥離は痛みが強いと言われます。しかし、高齢者は痛みの表現がうまくできず、訴えが明らかでないこともあります。

・同じ部位に起こしやすい

スキンテアの治癒過程でさらに皮膚が薄くなりやすく、一度スキンテアを起こした部位に再びできることがあります。

2.スキンテアが起こった時の初期対応

1. 出血しているときは圧迫して止血します。(抗凝固薬や抗血小板薬の服用を確認する)

2. 温めた生理食塩水、または流水で傷口を洗います。

3. 清潔な手袋を着用し、湿らせた綿棒やピンセットなどを使って皮弁を元の位置に戻します。

4. 適切な創傷被覆材を貼付します。

5. 対応が難しい場合は、非固着性ガーゼで保護し、テープは使用せず包帯で固定。主治医へ報告するか、皮膚科や形成外科で適切な創傷管理を受けます。

3.スキンテアの継続ケア

1. ドレッシング材を剥がす際は残存している皮弁が剥がれないよう、剥離方向を確認、注意しながら行います。剥離剤を使い、時間をかけて優しく剥がします。

2. 痛みや腫れなど、感染症状がないか経過観察します。

3. 次回の交換のため剥離方向を示す矢印をドレッシング材に書き、情報を共有すると安心です。

【まとめ】

スキンテアを起こした皮膚の状態
 摩擦やずれで皮膚が裂け、皮弁が残る場合と失われる場合がある。周囲皮膚は脆く再発しやすい状態です。
初期対応
 止血 → 洗浄 → 皮弁を戻す → 創傷被覆材で固定、または速やかに医師へ報告しましょう。
継続ケア
 感染兆候の観察と、創傷被覆材の適切な管理で再損傷を防ぎます。

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